Misfit RayとWithings Goにみるウェラブル活動量計の二つの道

先日紹介した Misfit Shine 2に続き、Misfitから新機種 “Ray” が登場しています。Ray は “Ray of Light” などといった英語でも使うように、光の帯という意味があります。

その名が指し示すように、Misfit Rayは棒状で、インジケーターも多彩な色に光る帯となっています。活動量計ですから、身に付けることで歩数や睡眠を計測するわけですが、この形でそうしたセンサーが入っているなどとはなかなか想像ができません。

この形状で、交換可能なボタン電池で6ヶ月間連続して使えますし、軽い振動によるフィードバックもついています。繰り返しますが、6ヶ月電池交換なしでバイブレーション付きです。これ、実はとてつもないことなのです。これで$99。

Misfitが選んだ、上品で存在感のないウェラブルという道

Misfit Shine 2もそうですが、これらのデバイスには表面に数字を読み取る計器もなければ高機能なディスプレイもありません。見た目はシンプルで、最低限のインジケーターだけがあって、ふだんはそれを意識して見ることもないのです。

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Misfit Rayに至っては、形状も棒状で小さくなりましたので、時計と二重につけることもできます。すでに Apple Watch を使っているんだよな、という人はこうした身につけ方もできるわけです。なにげに、ブレスレットみたいでおしゃれじゃないですかこれ。

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また、紐につけてこのような身につけ方もできます。これも、うっかりスルーしてしまいそうになるのですがにわかには信じがたい身につけ方です。

というのは、活動量計は身体の運動を測るものなのですから、本来は紐や鎖の先で揺れ動くようにしていては身体の本当の動きがわかりにくいのではないかと推測されるからです。

これは、Misfit の日本法人社長である田中さんにうかがった話なのですが、Misfit の開発陣の何割かは、センサーのデータから人間の動きを推測することを専門とした科学者・技術者なのだそうです。

Misfit Ray もこのサイズで三軸センサーがはいっていますので、たとえペンダントの先でも、ペンダントの動きと人間の動きをより分けて歩数などを算出するように作られていると考えられます。

一方で、見せるウェラブルであるWithings Go / Activite

Misfit Rayなどのようなウェラブルを理解するのに、他社の製品と並べてみるとわかりやすくなります。たとえばこれは CES 2016 で発表された E-Ink のインジケーターを搭載した Withings Goです。

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ポップなデザインがインジケーターをひきたてているこちらは、Misfit 同様の活動量計ですが、電池で8ヶ月間もち、$70と安くなっています。

とはいえ、詳細のスペックが現時点では非公開ですので、電池の交換はどうするのか? センサーが Misfit ほど高機能な三軸かどうなのかはわかりません。違うんじゃないかな…。

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こちらは以前に発売となっているWithings Activite。安いPOPと、フランス皮のバンドにスイス製の時計を組み合わせた高級ラインがあります。

こちらをみていると、いわゆる「時計」というデザインのなかに活動量計のメーターが封じられ、見せるタイプのウェラブルだということがわかります。

見せる? 見せない? どちらを選ぶ?

Misfit の CEO はウェラブルについて電池が長期間切れず、いつでも負担なく身につけられ、ファッショナブルなものこそが、ギークな感じのする活動量計の次の世代を担うウェラブル2.0だと発言しています。

Misfit Ray も Shine 2 も、Withings Go も Activite もそうした点ではウェラブル 2.0 の名にふさわしいといえます。Apple Watch が電池で失格というのはポジショントークという面もあるのですが、たしかに電池が切れていて不便をしたということは一度や二度ではありませんので、これは素直に認めてもよいかもしれません。

しかしここで、Misfit と Withings は異なる道を選びます。インジケーターをふだんほとんど見る必要がないので、アクセサリー色とファッション性を高めてゆく Misfit に対して、あくまで計器であることを捨てない Withings とです。

どちらを選ぶかは好みです。腕時計をずっとつける習慣がないという人には Misfit は最適でしょう。一方で、Withings Go 並みのインジケーターがないと使っていてはりあいがないという人もいるかもしれません。

私は、最近では Misfit Shine 2 を T シャツにつけたまま、ほぼ24時間を過ごしています。特に見る必要のないものだから、服の見えない場所に身に着けていても気にならないという点が負担感が少なく、必要に応じてiPhone のアプリでデータを確認するだけです。

見せるか、見せないか、ファッション性を高めるかどうか。スペックに加えて、この二つの軸でウェラブル活動量計を選んでみてもよいでしょう。

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堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。