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Periscopeがシェアするのは、そこに人がいる「対面」という感覚

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あるときはカフェでのひとときを、あるいは船が入港するのにいきあたった一瞬の時間を、あるいはただ暇な昼下がりの断面を。

Twitter社が公開したリアルタイム配信アプリ、Periscopeはそうした時間をiPhoneを通して人との「対面」の時間に変えます。

この一ヶ月、さまざまな場所でPeriscopeを使って実験をしてきました。珍しいできごとがあれば配信してみたり、旅行先での時間を配信してみたり、あるいは何もないのに配信してみたりといった風にです。

そうしてわかってきたのは、これはツイッター、Instagram、YouTubeなどのような新しいメディアに続く、新たな体験をウェブ化するサービスだということです。ちょっと小難しいのですが、説明を試みてみましょう。

「縦」であることの意味

先日、アジャイルメディア・ネットワークの徳力さんは日本経済新聞のコラムにPeriscopeやMeerkatのようなアプリの潮流を指して「縦動画」という表現をしています。

従来の横長動画では、通常の縦画面のスマホで表示すると狭い横幅に合わせて小さい動画として表示されていた。ユーザーは動画を大きい画面で見るために毎回スマホの向きを変える必要があった。そのため「instagram」や「vine」などは動画を正方形にカットし、縦でも横でも違和感の無い動画にしてきた。

 だが最新のライブ中継サービスでは、スマホ利用者が縦で使っているのだから、最初から動画もアプリも縦撮りを前提にすれば良いのではないかと提案している。

これは見た目どおりの解説でなんとなくわかった気になるのですが、もう少し深くつっこんでいくと面白い点が見えてきます。

本当はもうちょっと真面目に分類しないといけないのですが、この記事に関係する部分だけを抜き出すように作成してみると、主だったソーシャルメディアはこのように系統立てることができます。

Periscope position

ブログはここでいうとツイッターの上に、FlickrはブログとYouTubeの間という微妙な位置に、そしてYouTubeは YouTubeライブもあるのでいろいろこの場所は居心地が悪いのですが、「文字に対する映像」ただし「カメラで撮影した風景的・第三者視点的」という意味でここに配置されていると思ってください。

すると、Instagram, Vine はいわゆるビジュアル・ウェブのサービスで、ソーシャルで流れてきて、みた瞬間に伝わる種類のコンテンツだと位置づけられます。

ビジュアル・ウェブについてはこちらのライフハックLiveshowで語っています。

ウェブの潮流 Visual Web とはなにか: ライフハックLiveshow #74 「The Visual Web」

言葉をシェア、見てわかるものをシェアと続いて、Periscope / Meerkatはどのような体験をウェブの上に乗せているのでしょう?

その場にいる感覚を仮想化する

Periscope の日本の第一人者といえば、すっかりまつゆう*さんといってもいいでしょう。

先日はファッションデザイナーのステラ・マッカートニーの青山店オープニングというイベントで公式の Periscope を配信する任をまかされるという出来事もありました。

覚えておかないといけないのは、現時点でPeriscopeは配信後24時間しかライブを視聴することができないという点です。アーカイブとしては使用できないのです。

それでもステラ・マッカートニーのようなブランドがPeriscopeを使うのには、独特の意味があります。それはイベントをFacebookやツイッターで実況し、YouTubeに後日その様子をまとめるだけでは抜け落ちてしまうその場の雰囲気を伝えたいという目的があるからです。

その場にいたかった!というすべてのひとに、現場の体験をウェブに乗せてシェアしているのが、Periscopeなのです。

Periscope position2

ここでやっと、Periscopeが縦動画である理由が明快になってきます。

Periscopeのライブ配信をみていると、写っている対象と一対一で向き合っているような、対面の状況が強く伝わってくるのが感じられると思います。じっさい、まつゆう*さんの配信などはみていて、その場に彼女がいるような気になってドキドキしてきますよね。

というのも、私たちはある場面で人と話していたり、状況を見渡しているときに、YouTube的な、映画的な左右の俯瞰の視点で現実をみてはいないからです。私たちは遠巻きに見ているのでない限り、ポートレイトに近い視界で世界を体験しているのです。

だからこそ Periscope や Meerkat の創りだす配信は、ただ現場の様子をみているというのではなく、現場に立ったような錯覚を生み出すのです。スマホだから縦なのではなくて、縦というのは、対面状況にある私たちの視界のもっている構造なのです。

また、アーカイブが24時間しか保存されないというのは技術的な問題かもしれませんが、このライブ感覚はできるだけ配信されたのと同じ時間を共有していないと生まれないのですから、妥当だともいえます。何年もたってから見るのであれば、YouTube的な俯瞰的視点のほうがよいわけです。

VR前夜のソーシャルメディア

こうしてみると、Periscope/Meerkatは、VRヘッドセットを装着してその現場に仮想的に立つといった状況の一歩手前のところにいることがわかります。

そしてブログやツイッターのような文字表現のりアルタイムの共有から、ビジュアル・ウェブ、そしてライブストリーム・ウェブへとコンテンツが進化してきた道のりも理解しやすいのではないでしょうか?

Periscopeを楽しむのにはなんの意味があるのでしょうか?

それはまだまだ開拓されなくてはいけない未開分野だといえます。ブログに対するYouTubeというメディアの位置づけはわかりやすいですが、Vineに対するPeriscopeというのは、まだまだVineの可能性が汲みつくされていないだけにまだまだ漠然としています。

そんな小難しい話をよそにして、いまもアプリのなかでは世界中のひとが誘いかけています。私のもとへおいでと、向い合って話そうよ、と。

そしてアプリを開きさえすれば、あなたはいますぐ、その場に立つことができるのです。

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著者について

堀 E. 正岳

「人生を変える小さな習慣」をテーマとしたブログ、Lifehacking.jp 管理人として、仕事術、ライフハック、テクノロジー、文具、ソーシャルメディアなどについて執筆中。2011年アルファブロガー・アワード受賞。Evernote ライフスタイルアンバサダー。ScanSnapアンバサダー。この他のブログに、ライフ×メモ 、Climate+を運営しています。

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