部屋が片付かない人にありがちな12の落とし穴

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まず最初にお断りしておくと、私の部屋は片付いていませんし本来だったらこうしたいという理想の状態からは少し離れています。二人目の子供が生まれて以来特にそうですね(笑)。

しかし、ものを必要以上に溜め込んでしまう際にありがちな、自分をあざむく言い訳や油断しがちなポイントをあらかじめ意識しておけば、片付けやすくなる下地を作ることは可能です。たとえば「収納を増やさない」というルールをもっていれば、整理の名のもとにさらにものを溜めこむことはありません。

そういった片付けに関する12の落とし穴について、The Happiness Blogで紹介されていましたのでセルフチェック的にコメントしつつご紹介します。### 収納、思い出、過度の整理ぐせ。どれも落とし穴になりうる

1. いつも「整理しなければ」が口癖になっている

いきなり誤解されそうなポイントですが、元記事で指摘しているのは、すでに100%近くまで埋まっているハードディスクを整理して使いやすくしても意味がないように、適正な容量を把握してそこまで減らすのが先という点です。

これは心理的にも大きなギアチェンジですよね。「整理しなければ」という独白は不満な現状と自分自身に対する呪いの文句になりかねませんが、**減らすのであれば手放すだけで少しずつ状況はよくなります。**あたりまえのことですが、まずは自分を責めるのはやめたい。

2. すべてがきちんと収まっていないといけない

すべてのものが割り当てた場所に収まっているというのが整理の完成した姿ですが、それもあまりきにし過ぎると膨大な労力を整理とその状態の維持に費やすことになります。

これもきっと、利用頻度の高いものは細かく場所を決め、それ以外のものは大雑把にと粒度を決めたほうがいいのでしょう。

3. 「収納がもっと必要だ」が口癖になっている

1と2から演繹すると3になりそうです。部屋の大きさをスタート地点とするならば、たいていの場合、収納は問題を先送りすることにしかなりません。収納は買わない、を先にルールにしておけば背水の陣ができてかえって心理的には楽になることもあります。

4. 誰かにあげるか、売らないと手放せない

これもなかなかものを減らせない一つの心理的なハードルになります。たとえばその本はたしかに近くの古本屋よりも多少高値でオークションで売ることができるかもしれませんが、そのために必要な労力と、ものが引き続き空間を占有している状態を加味するとあまり得ではないといえます。

5. もしかしたら使うかもしれない!というマインド

もしかしたら使うかもしれないととっておいた家電や靴の箱、店でいただいた試供品、よけいな筆記用具。このマインドにはまっていると多くのものが捨てにくくなるのですが、その視点を疑えば急にそれがいいわけだと気づくことがよくあります。

6. 修理すれば使えるかもしれないと考えてしまう

たくさんのガジェットを手にしてきてこれもわかるのですが、修理するつもりがあったなら、1年もたってホコリをかぶる前にそうしているものです。手放しましょう。

7. いつかこのガジェット / ソフトを使えるようになるかもしれない

すべてのものを使えるようになる必要はありません。もったいないですが、買ったけれども使わなかったものは必要がないことがわかったのだと思って手放しましょう。

8. この服、ダイエットしたらまた着られるようになるかもしれない

ダイエットしても古い服をきて喜びがわいてくることはあまりありません。むしろ新しい服を買ったほうがよさそうですね。

9. 思い出のためにとっておこう

こうした感傷は、次にそのものを手にとって捨てるかどうか思い悩むまで忘れているものです。私はある程度時間が過ぎたものについては写真撮影をしてEvernoteにいれて手放すようにしています。それがあったということさえ覚えていればよいことが、よくあるからです。

10. これはあの人からのいただきものだから、念のためにとっておかないと

その人が実際に自宅に来て自分が与えたものをチェックする可能性はほとんどありません。これも写真を撮影して、もらったという事実をEvernoteに残しておいて手放すのでいいでしょう。

11. 空いたスペースがあるから、ここを何かで埋めないと

これが私もよく陥る最大の悪癖といっていいかもしれません。本棚に空きがあることが許せず、捨てるといってもちょうど収まっている状態までしか減らせません。

このマインドにはまっていると本棚が空いていたり、何も置いていない空間をみると少し落ち着かなくなってきます。そんなとき、これから有益なものを置くためにも、空いていていいのだと自分に言い聞かせています。

12. これは使うはず

そしてわかりにくいですが、これが最大の思い込みといっていいでしょう。「えっ、これを捨てるわけにはいかないよ。だって使うもの」と自分に言う前に、本当に客観的にそうなのかちょっと疑ってみます。

私は先日、整理している最中にホチキスの針を机に戻そうとしてはっと気づきました。最後にホチキスの針を交換したのはもう1年以上も前の事だったのです。

紙をスキャンするようになってほとんど必要としなくなったのに、私の引き出しにはこのペースで使えばむこう100年分の針が備蓄されていたのです。これはしたり!

5との違いが微妙ですが、たぶんいらないものを持ち続けていることと、いると思っているもののなかには要らないものがたくさんあるという違いになっているのだと思います。

自分の整理方法を少し疑ってみる

この12点をまとめると、自分の整理方法を少し疑ってみるということに尽きるのかなと思いました。

収納が必要だ、これは捨ててはいけないはず、これはこうするものだという思い込みの背後にはこれまでの惰性で身についた思考の贅肉がひそんでいます。そしてそれが現実世界にはいらないモノの山として溜まるといってもいいでしょう。

思考がループになっていて、それが部屋を片付けにくくしているなら、思考を変えることで片づけ方が変わるのでしょうし、よく耳にするようにその逆もあるのでしょう。

しかしそうはいってもなかなか片付かないという人むけにいま試していることがいくつかありますので、こちらについても近日中にご紹介したいと思います。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。