ソーシャルメディアのログをとるツイッターサービス「Kizna」
音声だったらボイスレコーダーがあります。画像だったらビデオがあります。でもツイッターのようなソーシャルメディアについては、「ログを取る」ことに独特の難しさがあります。
たとえば、ツイッターのつぶやきを全部保存すれば大丈夫かというと、そういうわけにもいきません。「誰と」「どの文脈で」「どんなやりとりをしたか」というログが、リアルタイムに更新されていかなければいけません。
たとえば「この人との過去のやりとりを@リプライも、DMもすべて串刺しにして見ることができないか?」とか「あのレストランで会った人々をまとめて覚えておきたい」といったソーシャルメディアの上に構築されるやりとりログ化してくれるサービスが必要なのです。死んだログとしてではなく、常にリアルタイムにアップデートされる生きたログです。
今日はそんなソーシャルメディアのコミュニケーションツールとして期待される ツイッター上のサービス Kizna のパブリックベータのイベントが開催されました。率いるのは「豚組」のオーナーで有名な中村仁さん (@hitoshi)。ツイッターを用いた豚組の経営経験から、今回のサービスの立ち上げを思い立たれたそうです。
Kizna とは?
Kizna はツイッター上でユーザーが投稿したつぶやきのログをとり、関係する返信やDMもすべて保存しておくことで独特な機能を提供するサービスです。利用者はウェブ版の Kiznaか、iPhone クライアントの Kiznaを通してログにアクセスします。
たとえばログの一種としてToDoがありますが、これはツイートにチェックを加えておくことで、あとでつぶやきに振り返って対応することが可能になります。
また、タグという機能もあってユーザーやツイートにタグをつけておくことで「趣味」「仕事」といったように「どの文脈で会話している人だったか?」を記録することができます。
Kiznaはあらゆるユーザーとのこうしたやりとりに対して、「どんなクラスタの人と、どんな文脈で会話したか」というデータの蓄積を行うことができます。そしていつでもその人との会話を@返信、DMもふくめて串刺しに閲覧することができるのです。
Evernoteとの類似性
Kiznaサービスは基本的な機能を無料で提供して、タグの数や、保存できるログの数などで差別化されたプレミアム機能を有料で提供するそうです。
ツイッターが一瞬で流れ去る情報の奔流だとするなら、Kizna はその流れに色付きのインクを注いで、いつでもたどることのできるトレーサーとするようなサービスだといえそうです。
そしてこうした「ログ」は時間がたち、会話の網目が増えれば増えるほど価値が増してくるところが Evernote に似ています。このあたりがフリーミアムモデルと相性がいいと言えるのかもしれません。
ソーシャルメディアが空気のように利用できるようになるにつれ、こうした保存、検索、解析のためのツールも重要性をましてくるのですね。
Kizna のパブリックベータは3月末を予定しているそうですので、興味のある方は今後の情報にご注目ください。