GTD の「次のアクション」って、単に ToDo リストってことですよね? え、違う!?

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GTD が威力を発揮するためには、良い「ネクスト・アクション」リストが作れることがとても大事です。GTDがうまく動いていると、「いま」「ここで」やらなくてはいけないことに絞り込むことができてとても気持ちいいものです。

でもこの「次のアクション」のリスト、単に ToDo のことですよね? と思っているとちょっと落とし穴があります。たしかに両方とも「やること」のリストにはなっているのでしょうけれども、二つには明確な違いがあるよ、と David Allen さんが記事で書いています

90+ % of the to do lists I’ve seen are incomplete inventories of still-unclear things. The Next Action definition (中略) actually finishes the thinking you’ve implicitly agreed with yourself that you’ll do.

ToDo リストの 90%以上はやらなくてはいけないことの曖昧で不完全な目録になっているに過ぎない。本来の「次のアクション」リストは、「あなたがこの行動をとろう」と自分に約束したその締めくくりを生み出しくれるものなんだ。

David の記事には、なんとなくToDoに「お母さん」とだけ書いておくことで、お母さんの誕生日パーティについて考えておくように自分を促しているという、ありがちな例がでています。

この場合「お母さん」という単語は何を実行すればいいのか思考が広がる一方ですので、ストレスを生み出します。ToDoを見ることで「どうすればいいの?」という疑問が生み出されるからです。

もし「お母さんの誕生日をパーティーで祝う」というアウトカムをプロジェクトにして、「妹に電話してお母さんの誕生日パーティについて相談する」をネクストアクションにしていれば、電話をすることが行動なのでストレスは減ります(妹に電話すること自体がストレスなら…まあ、しょうがありませんね(笑))。

理想的な「次のアクション」リストは言いかけの台詞のようなものといえるでしょう。「妹に電話する」の最後の「する」を「した」に言い切った瞬間、その項目は打ち消していいのです。

GTD についてはやはり原典をあたるのが一番の近道です。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。