[Lifehack Begin] 第4の習慣:24時間のテンプレートを磨き続ける

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毎日同じ時間に同じ行動をとっていたことで伝説的な人に、哲学者のカントがいます。ケーニヒスベルクの街の人は彼の散歩の時間を目安に時計をあわせたという逸話がまことしやかに語られるほどでした(もっとも、この逸話は彼の厳格な哲学的アプローチからの連想ということも考えられますが)。

機械仕掛けのように毎日同じ時間に行動することを目指すのはいささか気味が悪いかもしれませんが、24時間が自然な生産的なサイクルになっていることのメリットは計り知れません。

たとえば毎日決まった時間に起床と就寝をして、歯磨きをして、食事をして、風呂に入り、次の日の準備や読書をして、ブログを書いたりといったことをしたらどうでしょう?

その日その日の出来事に振り回されるのではなく、この研ぎ澄まされた24時間のサイクルから力をもらうようにして生活できたら何が起こるでしょうか?

実際、多くの生産的な作家は午前を仕事の中心にして午後はリラックスして過ごすなど、作家としての生産性を最大にするためのサイクルをもっている人が多いといいます。村上春樹、夏目漱石、ポール・オースターなどです。スポーツ選手や学者や俳優など、挙げればきりがありません。

私にとって、これはまだまだ到達出来ていない理想です。でも少しずつ時間を正確にして、理想の24時間を安定化しようというのが今年の目標でもあります。

24時間サイクルを作るときの注意点

24時間サイクルはすぐにはできないでしょう。ノートに理想の一日を書き、実際にそれにあわせて生活を始め、無理のある部分をそぎ落としたり、入れ替えたりしながら少しずつつくることが必要です。

  1. なるべく連続して二つの予定を入れない。むしろ飛び石のように予定を並べるところからはじめて、1時間、30分単位で自己管理ができるようになってから、さらに短いタイムスケールに移行します。

  2. サイクルが安定しないうちはどうしても時間がずれ込むことが起こります。そうしたときは、サイクルの設計図を参照して何のためい割り当てた時間が上書きされているのか意識しながら行動しましょう。夜になってからやらなくてはいけないことが多すぎて就寝が遅れることをなるべく先回りして防ぐという感覚で。

  3. 毎日の時間の使い方をログにとりましょう。1週間とるだけで食事にどれだけ時間がかかるか、睡眠はどのようなサイクルになっているかといったデータが集まってきますので、それをもとにして無理がないように一日の活動をスライドさせていきます。経験上、昼ごはんを15分ずらすだけで、仕事を終える時間を管理しやすくなるといったことが実際ありました。

  4. 自分に決められない部分については幅をとって、活動を入れ替えられるようにしておきます。たとえば夕食の準備を家内にまかせている私は、何時に食卓につけるかを管理できません。そのかわりに、待っているあいだにできる別の活動を選ぶわけです。

このブログを更新している船のうえでは、食事を中心としたサイクルが体調管理という意味からも非常に重要です。その場その場で何をしようかと考えるのではなくて、先に決められた流れから力をもらうほうが長丁場の仕事は楽になりますし、間違いが少なくなるのですね。

帰国したら「人生で必要なことはすべてノルウェーの観測船で学んだ」という本でも書きましょうか。パクリですか 、そうですか…。

ではまた次回まで。

Happy Lifehacking!

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。