なぜモレスキン手帳でユビキタス・キャプチャーを実践するか?
「モレスキン手帳って、とても質がよくて素敵ですけど高いですよね?」「なぜわざわざ高価な手帳を使うのですか?」
この質問はよく聞かれます。そして身も蓋もない答えの半分をあらかじめ書いてしまうと、「モレスキンを愛していて、あの感触を触っているのが快感だから!」です。
しかし答えのもう半分は、10 年、20 年後も残すことを考えているからでもあります。今日はちょっとこの件について独断と偏愛を承知で書いておきたいと思います。
理由1: 堅牢さ
自分にとってモレスキン手帳を使う最も大きな理由はこの堅牢さといってもいいでしょう。最初のキャプチャーからもう5年が経とうとしていますが、当時の手帳はページが黄ばんできてはいるものの、背表紙は頑丈なままでこのまま 10 年でももちそうです。
ユビキタス・キャプチャーは「記憶のメモ」ですので、その大切な記憶は数ヶ月後、 1 年後、5 年後、10 年後、30 年後に再生されるまで大事に保管されなくてはいけません。もっと簡易ないわゆる 100 円ノートでも大丈夫かもしれませんが、できれば最初に投資することで手帳が長持ちさせたいわけです。
理由2:ボリューム
ポケットサイズも、ページ数にして 192 ページあります。一日に数ページまめに書いていたとしても数ヶ月はもつわけです。これが普通の手帳やノートだと、同じ期間でも冊数がモレスキンの倍くらいになってしまい、散逸の危険が高まってしまいます。
理由3:規格化
いま流通しているモレスキン手帳は、もともと始めに作られていたものではなく、その復刻ですが、寸法などはちゃんと再現されています。モレスキンの手帳としての規格はこれほどまでに有名になりましたので、縁起でもない話なのですが、万が一現在の供給元である moleskine.com の会社がなくなるようなことがあっても、必ずまたレプリカが作られることでしょう。
つまり向こう何年でも同じ手帳を使い続けられることが保証されているわけですので、すでに 10 冊あるモレスキン手帳 ルールド(ポケットサイズ) の在庫を、ブルース・チャットウインがしたように 100 冊にしなくてもよいのです。
「でも高いですよ…ちょっと手が出ない」という方にはいつも次のような話をするようにしています。子供の頃の記憶、ちょっとした大切な思い出、忘れたくない出来事、こうしたものがちゃんと書き込まれた子供時代の手帳を買うことができるとして、いったいどのくらい支払う用意がありますか?
先日 Evernote の CEO の Phil と話したときにも同じような話になって、彼は高校の時の思い出を Evernote でもらえるなら何万ドルでも喜んで払う、と言っていました。私にとっても、モレスキンの手帳には同じくらいの価値があります。
**記憶はお金におきかえることのできない名画です。そして手帳はそれをおさめる額縁なのです。**何年経っても記憶が壊れることなく収納されていることを保証するために、多少高価でもモレスキン手帳を使うのが自分のスタイルになっているのです。