メールの文章が雑な人は実は仕事ができる?

handwriting.jpg

とどいたメールを開いてみたら、いかにも素早く書いていて、打ち間違いも漢字の変換間違いもそのままというメールだったら、どう感じますか?

だらしない人だと思われるでしょうか? 仕事の雑な人を思い浮かべるでしょうか? 逆に、私は最近、こうした人はとても仕事ができる人なのではないかと感じ始めています。

公私にわたって「先日の県はどうなったでしょうか亜」「どうもありがとうごじます」といった変な言葉がメールに混じっている人を以前から知っているのですが、こうしたメールを読んでいて「文意が伝わらなかった」ということはほとんどありません。

それどころか、こうした人には次のような共通点があるなあと思うようになったのです。

  1. メールが短く、メッセージがはっきりしている: すばやく書いた文章でも、伝えたいと思っていることを明確にした上で書き始めていることが多くてわかりやすい。

  2. 素早く返事が来る: 変換間違いを修正している時間、てにをはを修正している時間よりもメールを送信することを優先している節があります。タイピングが疾走する頭脳についていっていない印象をうけます。

  3. メールが雑だと思われるのを気にしていない: まったく気にしていないかというとどうかわからないのですが、少なくとも「ちゃんと書かないと人にどう思われるか怖い」という感情に支配されてはいなさそうです。

私はどうしても日本語の細かい点が気になってしまう人なので、漢字変換は短い分節で変換しがちですし、細かい日本語の調整を欠かさずにやってしまいがちです。

しかし相手がわかっている「会話」の代わりとしてのメールだったら、多少の打ち間違いはそのままにしても、速度を優先しているとするならば、その人はとても良い見切りをしている人だと言えると思います。

私がすべてのメールの日本語を美しく書こうとちまちまとした編集をしている 10 分の間にその人は5通のメールを書き送ってしまうことでしょう。かっこいいなあ。ああなりたいなあ。

みなさんの周囲にもこうした「メールの文章に打ち間違いの目立つ人」はいますか? その人は新幹線のように仕事をこなす人だったりしませんか?

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。