愛が時空を越えることが証明された?

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ポジティブ・シンキングが心理的にも、あるいは身体的にも大きな効果をもっていることは、科学的説明は別として、よく知られています。でも離れた場所にいる誰かに「愛を送る」だけで相手がそれを受け取れるとしたら? NPR の番組で耳にしたのですが、アメリカのとある研究所で長い間安定した結婚生活を送っているカップルを被験者として、次のような実験をしたそうです。

  1. カップルを別々の防音の施された部屋にいれ、片方に対して指先の血流と電気伝導度を調べるセンサーをとりつけます

  2. もう片方は離れた部屋でランダムなタイミングで、相手の様子がモニターに写るのを待ち、相手の様子がモニターに映ったら、「愛情や、深い気持ち」を相手に対して送ってみる

こうした実験を異なる 36 のカップルに対して行ったところ、「愛を送り」始めた2秒以内に血流の変化や、不意に誰かが耳元でささやいたときのような反応が離れた部屋にいる相手に生じたというのです。

愛がテレパシーのように伝わったのでしょうか?

得られた実験結果が偶然に生じた確率は 11000 分の 1 だというのも驚きです。少なくとも私の研究分野だったら「統計的に有意」と扱うべきレベルといえるでしょう(もちろん、統計的に有意でも、物理的に意味のない現象はいくらでもありますが…)。

元記事でこの現象を説明するのに量子もつれをもちだそうとしたあたりで意識が遠のいたのですが、一方で似たような話を別の本で読んだことを思い出しました。

キリスト教的な祈りをベースにしてポジティブ・シンキングについて書いた名著「積極的考え方の力」の中で、ある人が「愛と祈りをその場所いっぱいに振りまくことで、満員の電車や、バスの車内全体の空気を変えたことがしばしばある」という逸話です(p.219)。

なにも超自然的な説明や、現在説明できない超科学的な説明をもちださなくても、誰かが落ち着いた雰囲気でその場にいることに満足した様子でいるのを見るとはなしに感じ取ることができれば、ささくれだった雰囲気が和らぐのはいうまでもないでしょう。

職場にいるときや、道を歩くときでも、とりたてて意味がなくても笑顔を基本の「姿勢」にしていることのメリットは本人だけではなく、周囲にも拡散してゆく気がします。

離れた場所にもこうした「思い」が通じるかどうかはまだ信憑性が高いとはいえないと思いますが、私はそれが本当のことではないかと思いますし、そうであればいいなと願ってます。

この記事を読んでくれている皆さんも、同じように信じてもらえたら嬉しいです。

読んで下さっている読者のみなさんへの愛は毎日全世界に放射しているつもりですので! (伝わってないかもしれませんが(笑))

Can Positive Thoughts Help Heal Another Person? | NPR.org

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。