「名古屋ライフハック研究会」が発足!

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好きな英語の慣用句のなかに、All things must pass. というものがあります。諸行無常、と訳す人もいるようですが、私は言葉通りに「全ては流れ去る」「全ては去らざるを得ない」という風に解しています。

今日、名古屋ライフハック研究会の立ち上げ会がありましたが、自分が主催した Lifehack@Nagoya から独立してこうした会が発足したことに大きな感慨・感謝を感じつつ、上の言葉を思い出したのでした。

しばらく前から新年度に向けた職探しをしていたのですが、このほどようやくそれが定まり、春からは新しい職場で研究を続けることができることになりました。

しかし残念なことに、この異動にともない今住んでいる名古屋は離れなければいけません。せっかく立ち上げた名古屋でのライフハックの交流の輪を誰に託すかは、年末来のひそかな心配事でした。

しかしそんな自分の心配事を先回りするように、虹の父さん、しんりんさん、コウスケさん、komatsuna さんなどの非常に活発なメンバーが今回の会を立ち上げてくれたことに、不思議な気持ちと、大きな安心感を与えられました。

今日の会でも数々の魅力ある Lightning talk が提供され、活発な意見交換が行われてとても楽しいものでした。

今日は完全に(口うるさい)お客様として参加していましたが、会が無事に立ち上がってくれて本当によかったです。これからも名古屋をよろしく頼みますよ!

「手放す」ことでさらに豊かになる

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最近、私のもとに二つの対照的な話が届きました。

二つとも、とある組織のリーダーにまつわる話なのですが、片方のリーダーはメンバーに対して服従と依存を強いることをしていて、そうするうちに、それをよしとしないメンバーたちの反発を受け、長い争いのすえにリーダーの座を追われるという事態にまでなったという、げんなりとする話でした。

もう片方の話にでてきたリーダーは、非常に和気あいあいとした調和に満ちたグループ作りをしていたのですが、あるとき家の不幸でリーダーとしての仕事を離れなければいけないことがあったというのです。

やむなく一週間ほど仕事を離れて戻ってみると、残りのメンバーは組織をつつがなく運営していて、このリーダーの不在をちゃんとカバーしていたのだそうです。

しかし面白いことにこの時、そのリーダーの人は「ああ、ここを去るときが来た」と思ったのだということです。

自分がいなくても問題なく運営されるくらい素晴らしい組織を作り上げた以上、彼がいることはかえってその成長の妨げにさえなると気づいたのだそうです。

彼はそうしてしかるべき手続きののち、その組織を後進にゆだねて、さらに別の仕事にむけて邁進しているという話でした。

前者の人は**「手にする」ことに執着するあまりそれを失い**、後者の人は自ら手放すことで、さらに大きな可能性に向けて自分を解放したともいえるでしょう。

ともすればお金・キャリア・仕事・名声を「手に入れる」「積み上げる」ことばかりが目標になりがちですが、時にはあえてそれを「手放す』ことでさらに大きなステップを踏むことが可能になるというのは、不思議なこととはいえないでしょうか。

今回わたしは「自分の意志」というよりは「状況」によって「あえて手を離す」ことのメリットの一端をかいま見た気がします。そして All things must pass という言葉のあとには、次のような言葉が続いているのかもしれないと思うようになりました。

All things must pass… to pave the way for better things to come!

私は名古屋を離れますが、今日生まれた「名古屋ライフハック研究会」には今後とも参加していきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いします!

名古屋ライフハック研究会に登録したいという方は、まずはこちらの Google Groups への参加からお願いします(HP は近日作成予定とのことです)。

p.s.

そして4月からは関東県に移住です。関東のみなさん、どうぞよろしく!

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。