映画と漫画でさび付いた英会話を取り戻す方法

letters.jpg How to Resurrect Your High School Spanish… or Any Language

やっと!9月のほとんどを占めていた海外出張から帰って参りました。出発時と比べてもあまり涼しくなっていないことに驚いたり、首相が辞任表明をしていたことに驚くなど、驚くことばかりです。

今回の滞在を、リモート・ワークスタイルの実験として考えていたのですが、あえなく敗北してしまいました。反省すべき点はいずれまとめますが、一番の要因は研修が想像以上に時間を拘束するものだったことです。しかし代わりに得ることができたものがたくさんありました。

その一つが、さび付いていた英会話の力を取り戻せたことです。

小さい頃にアメリカで育ち、高校もアメリカで卒業した私は、テレビであれ映画であれ読書と会話だったら 100% 近く理解できるのですが、自分でしゃべるとなると、ネイティブの 50% くらいしかしゃべることができません。

「十分じゃないか」と言われそうですが、仮にも母国語ですし、高校生の頃はもっと流ちょうに話せていたことを思うと、非常にもどかしくなるわけです。そこで今回の出張ではイギリス人の学生を相手に攻めの態勢でしゃべりまくって、自分の中にある「もどかしさの壁」をもう一レベル乗り越えようともくろみました。

さびついた言葉を取り戻すルーチン

ある程度学んで、なんとか会話もできるようになった言葉を忘れたくないというのは当然のことです。でも、ふだん使わない言葉をいつまでも覚えておくために常に練習を心がけているのは、あまり効率が良いこととは言えなさそうです。時間がかかる割には、だんだんと教科書通りのつまらない紋切り型の文章ばかり頭に蓄積されるという悪い面もあります。

Tim Ferris のブログで、以前学んだ言葉を出発前の数週間から、到着後の数週間で完全に取り戻すために彼が実践しているルーチンが紹介されています。細かい点は彼のブログに書いてありますので、以下は要点のみ。

  1. 最初の1週間:英語の映画を字幕付きで毎日2時間見る

  2. 3日間:英語に翻訳された漫画を数十ページ毎日読む

  3. 飛行機の中:会話帳で使用頻度の高いフレーズを暗記する

  4. 到着後:漫画と会話帳を続けつつ、電子辞書でわからない単語を調べる

  5. 2ー3週間:単語帳で毎日数十個の単語をおさらいする

Tim は数カ国語を流ちょうにしゃべれるそうですが、それにはこんな秘密もあったのですね。映画と漫画が使用されているのが特徴ですが、これは視覚と聴覚に訴えつつ、ついでに楽しいという実に理にかなった方法です。

会話も 100% の単語がわからなくても、なんとなくの雰囲気で受け答えができるものです。この「なんとなく」をつかむのには、単語の羅列よりも文脈が大事です。だからこそ、見るだけで文脈が明らかな映画と漫画というわけなのです。

しかも Manga はいまや世界中の言語に翻訳されています。英語、フランス語、スペイン語、中国語、韓国語、インドネシア語くらいでしたら、あなたのお気に入りの漫画が翻訳されている可能性は高いでしょう。日本語を読み書きできるメリットを最大限に生かした外国語勉強法というわけです。この方法を滞在前に知っていれば実践してみたのに…。

かわりに私が実践していたのは、1. とにかく話すこと、2. かっこ悪くても話すこと、3. 相手に質問すること、4. わからない単語はあとで調べて次の日に使うこと、でした。

最初は表現力不足に悩んでいましたが、これではいかんと攻めに転じて、研究発表を自主的に行い、イギリスの学生たちとのパブのはしごにも付き合い、エールをおごったりおごられたりしているうちに、もつれていた舌が相当ほぐれてきて、ずいぶんと自信を取り戻せました。50% の会話力が、65% くらいにはあがったでしょうか。研修がもう1週間あればなあ、と思いつつの帰国でした。

ともあれ、一度学んで習慣化したものは、短期間の集中的な学習ですぐに取り戻せるというのは、実践してみて初めて効果がわかるよい体験でした。

2週間のエールとビールのおかげでこれからダイエット開始ですが、そのかわりに Facebook にイギリス友達ができました!

(追記: Tim のブログにリンクし忘れていました。失礼!)

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。