題名だけではなんのことかさっぱりだと思いますが、これは先日 37Signals のブログ Signal vs Noise での記事「Four letter words」を読んでいて思ったことです。記事では他人、特にプログラマーとデザイナーのように違う畑の人とがコラボレーションしているときに注意しないといけない4文字言葉が紹介されていました。いいえ、f*** とか s*** ではありません。それは、
Need、Must、Can’t、Easy、Just、Only、Fast
の7つです。使用例は次のような感じ。ちょっとあきれ気味の口調で読み上げると、やる気減退効果は絶大です。
We really need it. If we don’t we can’t make the customer happy. Wouldn’t it be easy if we just did it like that? Can you try it real fast
その機能は本当になきゃだめだよ。それがなかったら、お客さんを喜ばせることなんてできない。簡単なことだろう? ただやればいいだけなんだから、ちょっとてっとり早くやってみてよ。
聞いてるだけでパワーが失われていく呪いの呪文みたいです。しかし文章だけを見ているとふつうの会話に見えるのに、なにがいけないのでしょうか?
このことを、数日考えていて、どうもそこに見えない「私」が入っているからではないかと思うようになりました。
あいてにボールを投げてばかり
全ての文章の頭に透明な「私に言わせると」をつけて読んでみましょう。
私にいわせると、その機能は本当になきゃだめだよ。私にしてみれば、それがなかったら、お客さんを喜ばせることなんてできない。私には簡単なことに見えるけど? 私にいわせれば、ただやればいいだけのことなんだから、ちょっとてっとり早くやってみてよ。
暗殺したいほど嫌なやつのできあがりですね。
ようするに最初の文は、相手にやらせようとしている作業が相手にとって簡単なことなのか?、現実的なことなのか?、そもそも相手はどう思っているのか? といった基本的なことを確認せずに自分の見地だけから話を進めているために、なんでもない言葉が不快に響いているわけです。自分の話していることが自分の押しつけであることを巧妙に隠そうとして隠しきれていない言葉なのです。
注意していないとこういう口調はいつでも言葉のなかに入り込んでくるようです。お役所的な職場環境で身につけたクセですが、こういうときは疑問文に注意すると、うまくいった経験があります。見えない「私は」を「あなたは」に変えていくのです。
私には、この機能は重要そうにみえますが、あなたはどう思う? 時間と予算が十分にあったとして、これはやるに値すると思いますか? やってみたいと思いますか? やるとして、どのくらいの時間を見積もればいいですか?
これに対する相手の返事をすべて聞き入れるかはどうかは応相談ですが、まずは相手の考えを引き出すような疑問文を作るのがコツです。相手の言葉を聞きながら素早く判断して、両方にとってメリットのある「第三の策」を考えやすくなるのも、この「相手に話させる」テクニックの隠れた長所です。
「私」を「あなた」に変えるだけで呪いが治癒の呪文にかわるのだから、言葉とは本当に不思議なものです。








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