もうバス・地下鉄に遅れない。「ゆっくりタイム」の計算

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新年度に変わって、2回もバスに乗り遅れてしまいました。よく見たら、時刻表が変更されていて1分だけバスのやってくる時間が早くなっていたのです。

今までなんとなくバス停まで歩く時間を「5分ちょっと」と見積もって行動していたのですが、これだとぎりぎりまで仕事をして、遅れそうになっては息せき切ってバス停に向かったりすることがたびたびありました。そこへやってきたのが、この時間割改変です。

私の職場の近くは夕方でも1時間に一度しかバスがありません。いつまで経ってもやってこないバスを待ちながら「通勤時間をハックしてやる…」と心に誓いました。

通勤時間を秒単位で測る

**正確に測っていない時間は「2、3分」、あるいは「5分くらい」、「10分くらい」という非常にてきとうな時間で表現しがちです。**まずはストップウォッチを使い、いままで何となく見積もっていた通勤時間を正確に測りました。このとき、普通に「ゆっくり」余裕をもって歩いているタイムを測ることをしました。よゆうをもってバス停に着きたかったからです。

結果は、5日間の平均で、8分36秒。どうも「5分強」と思っていたのは間違っていませんでしたが、どちらかというと「10分弱」に近かったことがわかりました。1分時刻表が早まったせいでバスに遅れていたのはこのせいだったようです。

また、5日間だけですが標準偏差を計算すると 30 秒程度でした。幸い私の通勤路には信号などがありませんので、運悪く信号にあたるような、大きな変動要因がないみたいです。

変動要因をおさえておく

人によってはここで予想しうる変動要因を考慮に入れておくのもいいかもしれません。荷物を持っている場合、人と歩いて行く場合、信号が赤になった場合、ちょうどエレベータがいってしまった場合、雨が降っている、などなどです。

でもたいていの場合、一番大きい変動要因は「じゃ、お疲れさま〜」といってオフィスを出ようとしたときに人に呼び止められた場合だと思います。なぜか帰りがけに声をかけてくる人は存外多いものです。私はこの時間を3分とちょっと長めに見積もっておきました。

最終的な「ゆっくりタイム」

Mac のシャットダウンまでに平均で 4分、鞄に書類等をいれるための時間を平均で2分、バス停についてからバスがやってくるまでの時間的余裕を1分としました。これらを全部含めて逆算することで**「ゆっくり歩いてもちょうど1分前に着く」という「ゆっくりタイム」**が絞り込めるわけです。結果は右の表のようになっています。

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というわけで、6:44 分のバスに乗りたいなら6:23分に、19:29 のバスに乗りたいのなら 19:08 に仕事の見切りをつけて「終了プロセス」に入ること、という目安ができました。それまでは 19: 15 くらいにやっと動き出していましたので、いかに自分の目分量があやしかったのか気づかされました。

バスがたくさんある地域だったり、もっと私よりも時間の感覚が鋭い人ならこんなのは測ったりするまでもないことなのかもしれませんが、でもなんとなく「5分強」と思っていたことをちゃんと測ることで気づかされることも多くありました。

ゲームは一日一時間、というように、よく同じことをゲームやテレビで行う話は耳にしますが、身近なことで測って得したなんてことはありますか?

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。