返却される本との偶然の出会い

[icon-books.jpg のですが、図書館で本を探すときに「返却されたばかりの本の書架を探す」という方法が、今まで知らなかった面白い本との出会いの近道だという話です。

他人が借りたということは、他人が面白いと感じたからで、きっと面白い本がならんでいる確率が高いというわけです。

Collective Intelligence

この記事を読んで、そういえば自分もこのテクニックを何となく長いこと実践していたことに気づかされました。係員の方が本を棚にもどすために押しているラックから失敬したこともたびたび。

ある本を読むことは、別の本を読めないことでもあります。読んでいる本がつまらなかった時ほど「時間を返せ!」と思わずにはいわれませんので、面白い本がならんでいそうな場所には、無意識に吸い寄せられてゆくのですね。

これも、一つの collective intelligence といってもよいものだと思います。ようするに、「他人の脳を利用する技術」。Amazon の「この本を買った人はこんな本も買っています」というおすすめ商品の機能みたいなものです。今まで自分が読んだことのなかった新しい本の分野を開拓しようとすると、茫漠とした本の大平原で迷いそうになりますが、そんなときこそ、こうして他人が知らずにつけた足跡が参考になりますね。

ただ、他人と同じ本ばかり読んでいても知識・経験・感動はあまり特殊化しませんので、2、3冊を読んで新しい分野の道しるべを与えられたなら、そこを起点にして、よりディープな本を探してゆくこともまた楽しです。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。