バッハタイマー:ポモドーロ・メソッドで集中する3時間のクラシックが効果的

私の現在の職場は個室というわけではないものの、一人で集中して研究のプログラミングをしている時間が長いので、ヘッドフォンを付けて音楽を聴いていることがよくあります。

テンポのよいトランス系の音楽で調子が出る日もあれば、The Echelon Effectのようなアンビエントのほうが集中力が高まることもあります。そしてもちろん、クラシックも。

そういうわけもあって、クラシック音楽レーベルのナクソス・ジャパンのチャンネルにも登録していたのですが、数週間前に「バッハタイマー【3時間集中】~はかどるバッハ!」という動画が投稿されていたので、ちょっと驚いていました。ナクソスさん、時々やりますよね、こうしたゆるゆる企画。

再生すると、すぐにかかるのは「ギターによる無伴奏チェロ組曲第一番・ト長調 BWV1007」です。普通にチェロではなく、そこはギターなのですね。でも、弦の軽快さがウォーミングアップにちょうどよい気もします。

この動画は「ポモドーロ・メソッド」に基づいたタイマーになっていますので、まずは25分の集中時間が始まります。そのあとに、5分だけ緊張をほぐすための小休止の時間がきます。

とはいえ、作業に集中しているということは動画は見ていない可能性も高いわけで、どのようにして休息時間に気づくのかというと、そこにクラシックらしい工夫があります。

なんと、公演の休息時間のように、音楽が止まるのです。ちゃんと会場のざわざわとした音も聞こえてきますし、次の公演、ではなく集中時間の30秒前には着席を呼びかけるチャイムが鳴り始めます。これはいい!

休息のあとに始まるのはブランデンベルグ協奏曲。他にもフルート・ソナタBWV1032、管弦楽組曲第一番ハ長調BWV1066といったように、有名でなじみ深い音楽が続きます。

「25分の集中 + 5分間の休息」を2セットおこなうと、次は「25分の集中 + 10分間の休息」となります。この3セットを二回繰り返し、最後の休息は動画の終わりなので省略してちょうど三時間の集中時間というわけです。

後半には、ときおり内省的な無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第三番ハ長調BWV1005も挿入されたりして緩急も入りますし、オルガンによる「目覚めよ、と呼ぶ声あり BWV140」のような労る音楽も挿入されます。

思うに、これはバッハのようにテンポが大きく変わらない楽曲だからこそちょうどよい試みのようです。他の作曲家だったら、こうはいかないかもしれません。

それでも、日によってバッハではなく、もっとしんみりとした音楽で気持ちを落ち着けて集中したい場合もあるのですから、いくつかのバージョンを期待したいところです。

ナクソス・ジャパンにはけっこう頻度高く情報発信をしているnoteページもありますし、24時間の配信をしているチャンネルもありますので、あわせてチェックしたいところです。

ふだんの作業に音楽をお供にしているひとは、ぜひチャンネル登録して、ブックマークに保存してみてください。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。