ライフハック大全・プリンシプルズと、ブログの今後について`

ようやく、発刊しました!

もともと、「これが最後のライフハック本」と言いながら出版した「ライフハック大全」の変奏曲でありアンコールにあたる「ライフハック大全 プリンシプルズ」が12月10日発売となっています。

かなり無茶なスケジュールと構成を受け止めてくださったKADOKAWAの編集さん、そして早くも手にとってくださっているみなさんに感謝したいと思います。

読んだ方は気づかれたと思うのですが、本書は「ライフハック」というテーマに対して私なりに最後のケリをつけたような文体で書かれています。過去はどういう経緯だったのか、そしてなにを未来に残したいのか。できるだけ時代が移り変わっても重要性が損なわれないように注意しつつも、ライフハックの歴史が忘れ去られようとしているいまだからこそ書けることにも触れながら。

特に本書の「プロローグ」の章では、ライフハックというジャンルが誕生した経緯、そのときの雰囲気を書き残すことができたことは私にとって大きな意味があります。

本書のためにウェブの資料を探していると、実はライフハックという言葉の元となったオライリーの Emerging Technology Conference のダニー・オブライエン氏の講演ページは削除されていましたし、ブームの当初には存在したさまざまなブログもすでに更新が停止してアーカイブも失われたものが多かったからです。

すくなくとも、こうして本という形で残すことができたことで、このムーブメントがなんだったのか、なにを目指していたのかを言葉にすることができました。

未来になにを残すか

「ライフハック大全 プリンシプルズ」で本当に残したかったのは、歴史的な経緯だけではありません。これはライフハックで、これは手段と目的を取り違えた異なるものといった思想についても、私の言葉で残すことが最重要なテーマです。だからこそ「原理原則 = プリンシプルズ」にこだわったのです。

本書では、時間管理のプリンシプルズ、タスク管理のプリンシプルズといったように、それぞれのテーマのなかで裏切れない原理原則が登場します。そのすべてに読者が同意できるかはわかりませんが、少なくともライフハックについて考えるときの方向性が示されるように配置されています。

本書でまとめた「プリンシプルズ」が、皆さんの助けになるとともに、一種のミームとして次の世代の仕事術やハックといったものに継承されていけば、本書の目的は達成されたといっていいでしょう。

それこそが私が本書を通して未来に残したかったものですし、ブームを牽引した多くのライフハックブロガーたちへの感謝の徴でもあるからです。

「ライフハック」のブログから、私のライフハックブログへ

さて、こうして一区切りもついたところで本ブログはどうしようかと考えていました。

時が過ぎてしまったブームにいつまでも薪をくべるのもどうかと思いますし、いっそすぱっと更新停止にしてしまうのもありだろうか? と、そんなことも考えたわけです。

しかし逆に、これからはすべてがエピローグのような、落ち穂拾いのようなつもりで書くほうが、むしろ肩の荷がおりていいのではないかといまは思っています。テーマに対する気負いももう必要ありませんし、むしろ気持ちは楽です(笑)

なので、このブログはむしろマイナーすぎる話題や、私しか興味なさそうな話題についても拾ってゆく、ライフハックのミームを残す場所として継続することにしました。

私自身の活動は、このブログだけではなく、YouTube他のテーマにも広がりつつありますので、それもあわせてTwitterなどで紹介しつつ、これからもちょっと役に立つ話をご紹介できればと思います。

今後もどうぞご贔屓に。Happy Lifehacking!

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。