「noteではじめる新しいアウトプットの教室」に改訂版が登場

日本におけるコンテンツプラットフォームとして不動の地位を築いたnoteですが、最近ではその使い方を解説する本もだいぶ増えてきました。

しかしその多くは、「どんな機能があるか」「どのように操作するか」といった部分に集中しており、どのようにクリエイターとして最初の一歩を踏み出すか、どのように続けるかについては不足しているためにIT慣れしているひとにはかえって勧めがたいジレンマがあります。

やはりそこはブログ「ネタフル」のコグレさん(@kogure)とまつゆう*(@matsuyou)さんが2019年に書かれた「noteではじめる新しいアウトプットの教室」が強みとしていたところです。

でも、出版からまだ1年ちょっとなのにけっこうnoteの画面は変わってしまったしなあ…と思ったら、なんと早くも改訂版が登場です。

貴重な一冊をご恵贈いただきましたので、違いをみてみましょう。

note本、改訂版はここがちがう

「noteではじめる新しいアウトプットの教室」はnoteへの登録の仕方から記事の書き方、マガジンの設定方法といった操作部分もスクリーンショットを多数用意して解説しているところが、さすがは「できるシリーズ」ですが、本書の強みはそれだけではありません。

本書の持ち味は、「どのようにテーマを決めるのか」「どうしたら最初の一歩を踏み出せるのか」「続けるにはどうするか」といった、クリエイターを目指す人が最初につまずくポイントについて重点的に触れている点です。操作について詳しい本が他にも登場したからこそ、クリエイターの背中を押す部分は他にない価値といっていいでしょう。

では今回の改訂版はどのように変化したのでしょうか? まずは表紙です。「第2版」を意味しているのか、鉛筆が二本になっていますね。

最初に開いた「はじめに」の部分の組版も変わっています。本としては10ページほど増量しているのですが、場所によっては、こうして組み方を変えながら凝縮させていますのでけっこう加筆がされているようです。

スクリーンショットについては、かなりの割合が再撮影され、最新のnoteのインターフェースにあわせて作られています。手順が変化しているところはもちろん、手順が変化してなくても新しくスクリーンショットを用意したほうがわかりやすい部分はすべて改定しています。

こうしてみると、意外にnoteが細かい部分で変更されていることがわかりますね。2019年の段階ではまだまだ磨きの足りなかったインターフェースが洗練され、それにあわせて解説も加筆修正されています。

企業向け “note pro” の章が新設

もともと7章あった本書の最後の章はインタビューにあてられていたのですが(わたくしも登場しています)、今回の改訂版ではあらたに8章「note proで企業の情報発信をする」が追加されています。

note proは法人向けのプランですが、いまでは企業や組織の公式ホームページとしてnoteを運用するケースも増えており、その使い方やベストプラクティスについて改訂版では触れています。

note proでは個別ドメインを追加したり、アナリティクスと連携したりといった高度な機能が提供されています。また、スケールの違う運用には個人とは違ったノウハウがありますので、新たにnote proのユーザーに運用方法をインタビューしている項目も追加されています。

まずは、note からはじめてみよう

noteは誰にでも利用できる簡単なサービスですが、それだけに言い訳が聞かない場所でもあります。「情報発信をしてみたい」と始めたみたものの、思ったように記事を書けない、続けられないという悩みは、日々多くの人が記事を登校しているにぎやかな場所だからこそ、利用者の心に直接響きます。

本書はそうしたクリエイターとしての最初の一歩を踏み出す人に向けても丁寧にネタの集め方、執筆するときの時間の使い方、記事のシェアのしかた、仲間の増やし方を教えてくれます。

記事を書けない、続けられないのは、実は普通にありふれたことです。それを気に病むことなく、日々新たになにかを始めることができるひとが、やがて続けられるようになってゆくのです。

それを教えてくれる本書はまさにアウトプットの「教科書」といってもいいでしょう。noteを始めてみたいけれどもタイミングを失っていたというひとは、ぜひこの改訂版の熱が冷めないうちに、手にとってみてください。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。