[AD] 10億色を撃ち抜く「BenQ SW240 カラーマネジメントディスプレイ」のコストパフォーマンスの高さ
最近動画の編集を多く手がけるようになると気になるのが、やはり色です。
写真ももちろん色の芸術ですが、動画の場合にはシーンからシーンに移動したときにカメラの設定にあまり気を使わずにいると、たとえば映像が暖色系から寒色系に脈絡なく変わってしまって、見る側の気持ちが置いてきぼりになってしまうという独特の問題があります。
せめて、一つの動画のなかに使われている映像の色が物語る雰囲気には一貫性をもたせたい。それがやっていてすぐに気になったことでした。ようこそ、カラーグレーディングの沼へ!というわけです。
モニター上で色を調整するには、そもそもディスプレイが正確に色を表現できていることが重要です。ここで利用されるのが「カラーマネジメントディスプレイ」、色を正確に表現することを目的としたモニターです。
今回、レビューズのモニターとして「BenQ カラーマネジメントディスプレイ SW240」をお借りして使用させていただきましたので、そのインプレッションをご紹介したいと思います。
大事なのは、1. 誰がこのモニターを必要としているのか、2. なにが可能になるのか、という2つの理解です。
ベゼルの小さい24.1インチディスプレイ
まずはこのディスプレイの仕様を確認しておきましょう。SW240 の大きさは24.1インチ、解像度は1920 x 1200の16:10アスペクト比の形をしています。
ひと目でわかるのは、ベゼル部分の小ささです。ボタンのある下部を除けば、ベゼルは数ミリしかありませんので、本体に対して画面がとても広く感じられます。「A4用紙が2枚入る」という謳い文句は、大げさでもなんでもないわけです。
さて、ディスプレイがあっても接続できなければ意味がありません。SW240はDVI-Dディスプレイ端子に加え、HDMI 1.4、Display Port 1.2 に対応しており、ケーブルも各種添付されていますので箱を開いてすぐに接続することができます。
また、写真には写っていませんが、巨大な電源アダプタなどが存在せず、ケーブルのみで本体に接続できるのも嬉しいポイントです。
背面にはSDカードスロットと、2基のUSBコネクタもあります。また、こちらのアームにも注目なのですが、上下可動だけではなく、回転にも対応しています。
くるっと回転させるとこのとおり、縦方向にリソースを使った編集も可能になります。これは細かい修正をずっと行っている際にはとても重宝する機能です。
色のなかに色を見い出す10bitカラーの表現力
SW240のディスプレイとしての性能を見ていきましょう。このディスプレイはある程度間近で利用することが多いと思いますが、その際に視野角による輝度の変化が起こりにくいIPS液晶を採用しています。
机の広さがあまりないので、このようにメインマシンに使っているiMacのすぐ横において試していたのですが、画面の端から端まで色が一貫していますし、ノングレアの画面が目に優しくて、作業をずっと続けていても疲れにくいということにすぐに気が付きました。
この沼に踏み込んだ人がなぜカラーマネジメント用に2つ目のディスプレイをほしがるのかというと、1) 目的にあわせた機能をもったディスプレイを追加する、というだけではなく、2) 疲れにくく作業を続けられるモニターがあると作業がはかどる、というのがあるのか! という発見になりました。
さて、このSW240は10bitカラー、つまり赤・緑・青のそれぞれについて1024階調の組み合わせで10億色を解像する性能をもっています。Adobe RGBならば99%、sRGBなら100%のカバー率です。
このカラーモードはディスプレイ下部のホットキーで選ぶことができ、たとえば製品の色を正確に写真で表現するためにAdobe RGBで作業をしてから、sRGBにのみ対応している環境でどのように見えるかとボタンひとつで確認することができます。
これ、ちょっとわかりにくいと思いますので強調しますが、絶対に間違えてはいけない製品の色を補正しつつ、ボタン一つでウェブでの見え方を確認できるというのは、ワークフローとして大きな近道になっているのです。
ここにモノクロモードがついているのも、使い始めたときには必要だと気づいていなかった機能の一つです。たとえばLightroomで写真を並べて閲覧しているときに「モノクロ」を選ぶことでどの写真が白黒で味がでてくるかをいちいち変換せずに一望することができます。
今回はソフトウェアカリブレーションのみで使用していましたが、SW240 のもうひとつの特徴として、別売りのセンサーと組み合わせてのハードウェアカリブレーションにも対応しているというものがあります。
値段的にはエントリーレベルの安いディスプレイでプロ仕様のこの機能が付いているというのは、どう考えても色補正の沼に引っ張り込もうとしているようでとても好感がもてます。
わざと非常に色のグラデーションがゆるやかな写真の編集なども行ってみましたが、色の中間にいくらでも色が表現されていて、とても素直な色表現をするディスプレイだと感じました。
ディスプレイ側の限界のせいで写真に写っているものが見えないということがないのは、写真をディスプレイで見ることのほうが多い今の時代にはあまり意識されることがないものの、とても重要なポイントなんですね。
実際にカラーマネジメントで遊んでみた
さて、実際にこのSW240 でカラー調整を行った写真をご紹介しましょう。問題なのは、たとえこの記事で「この写真です!」と紹介しても、みなさんが読んでいるのがどのようなモニター、液晶なのかといった違いで、実際のところどうなのかは伝わらない点です。ですので、ここではわかりやすい写真で雰囲気を感じ取っていただければと思います。
たとえばこちら、終電のあとで基地で眠っている京急の車両を撮影したのですが、こうした「京急レッド」のようにちゃんと定義された色がある場合に、カラーマネジメントは重要です。
実際の色から逸脱しないように、でも夜の光で少し沈んだ印象をもたせることができるように、といった微妙な調整をしてみたのですがいかがでしょうか?
こちらは夜桜の写真ですが、むしろ気になったのは背景です。ビルの構造が窓の光だけでわかるくらいの微妙な調整をしています。本当に自己満足の世界ですが、それでいいのです。自己満足を叶えるための、カラーマネジメントなのですから!
誰にぴったりか? なにが可能になるのか?
今回のレビューでは SW240 を2週間ほど動画のカラーグレーディングや、写真の調整を主として利用するだけでなく、普段の作業のサブディスプレイとして利用してみました。短いあいだでしたが、その経験をもとにどのような人にこのモニターが必要か考えてみましょう。
まず注意しないといけないのがマシン側の色対応と解像度です。10bitカラーの性能を十分に引き出したいと思うならば、そもそもビデオカードと、利用するアプリケーションがそれに対応している必要があります。
だからといって通常のグラフィックカードではだめというわけではなく、SW240ではRGBのカラーブレンドを正確に表現するために14-bit の3D LUTを採用しますので8-bitカラーのグラフィックカードでも精度の高い発色を期待できます(今回マシンがないため、そこまでの比較は行っていませんが)。
また、どのような解像度で作業をするのがよいのかは、その人のつなぐ端末や作業次第というのも意識しておきましょう。BenQのラインナップのなかでは、この製品は「プロのセカンドディスプレイ」という位置付けが強く、たとえば全体の様子はメインディスプレイで調整しつつ、細かい部分をSW240で補正するといった利用の仕方がイメージしやすいでしょう。今回動画の補正で使っていたときも、そのような利用方法に落ち着いていきました。
そこで、SW240 の WUXGA (1920x1200)の解像度があなたのワークフローのなかでそうしたセカンドディスプレイとして最適かどうかを考慮しつつ選ぶのがよいでしょう。
たとえばこうしてデスクトップの作業の一部を置き換えるために SW240 を利用することもできますし、Macbook のようなノートブックを卓上で利用するための外部ディスプレイとして利用することもできます。
販売価格にして55000円という、なかなかに攻めた値段を考えると、写真を趣味にしていて、これから本格的にカラーグレーディングなども学んでみたいと思っているけれども、より巨大な31.5型の4Kディスプレイはスペース的に導入が難しいという人にとっては、実にありがたい存在だといえると思います。
例えばセンチメートルしか測れないものさしをミリメートルの目盛りもあるものに換えると、同じ作業のきめ細かさや選ぶことができるニュアンスが変わるのと同じように、カラーマネジメントディスプレイという「道具」を選ぶことで、それまで意識できなかった場所に手が届く感覚があるということ、それを SW240 は教えてくれました。
この一台でカラーグレーディングの沼に踏み込んだ方は、ぜひ別売りの遮光フードもつけて、色の深みへとずぶずぶとはまってゆくこともおすすめですのでチェックしてみてください。
BenQ 24.1型 16:10 カラーマネジメントディスプレイ SW240 | BenQ Japan Amazonの商品ページ(レビュー見てみましたが、他のラインナップも含めて、とても好評なんですね…)。
今回参加しています BenQアンバサダープログラム もよろしければ御覧ください。ディスプレイだけではなく、最近よく聞くようになった4Kプロジェクターなどの情報も寄せられたりします。