AMN感謝祭で感じた「ブログ」×「マーケティング」の世界線はまだいくつもあるという予感
先日東証マザーズに上場したアジャイルメディア・ネットワーク(AMN)のパートナーブロガーおよびレビュワー向けの感謝祭に参加してきました。
AMNといえば熱量の高いファンと企業とを結びつける「アンバサダー・マーケティング」の会社ですが、そのむかしはブロガーと企業とをつなぐ、ブログマーケティングを展開していた会社でもあります。
もうお忘れの人も多いかもしれませんが、Lifehacking.jp はAMNのパートナーブログでもあるのです。AMNのブログパーツがサイドバーに踊っているころを覚えている人がいるなら、かなりの古参読者ですね!
そうした歴史をふまえて、上田社長からはAMNが今後アンバサダー・マーケティングに邁進する意気込みを感じさせる挨拶をいただきました。
私はといえば、パートナーブロガーを代表してなぜか鏡割りの槌を渡されていました。花粉症とアレルギー反応で散々な状態だったのですが、なんとかご挨拶できて良かったです。
我らが徳力さんからは、ONEDARI BOYSという、ブロガーが企業に商品を「おねだり」して熱量いっぱいに紹介するという取り組みがAMNの原点にあるという話をいただきました。
ブログ×マーケティングの世界線
とはいえ、同窓会のようで楽しかったこの会は、極端に言うなら「AMNが結局はブログマーケティングの会社にはなれなかったよね」という面も思い起こさせる会でもありました。
徳力さんも「ブログを主力としていた時期はあまり利益が上げられなかった」と述懐している通り、すくなくともその世界線はなかったわけです。その影響を残したアンバサダー・マーケティングの世界線に、いま私たちはいるわけです。
鏡割りの際、ちょっと挨拶をしてほしいということだったので、薬でもうろうとしている意識をなんとか整理しながら、次のようなことを口走った覚えがあります。
ブログは、かつて最先端のメディアでした。そしてAMNとパートナーブログは当初は手を取り合って進んできたわけです。
しかし、いつしかブログは最新のメディアではなく、ツイッターやインスタグラムに対してという意味ではレガシーな存在になってしまい、AMNの主力もアンバサダー・マーケティングに移りました。
しかし未来はわかりません。いまはSNSの時代でも、それがノイズばかりになってしまえば、熱量のある情報を効率よく探す方法はないかと世界が求める時代がまたやってこないともわかりません。
その未来のメディアにおけるブログがどんなものかはわかりませんが、時代が変わっても私たちはそこにいるでしょう。そしてその未来をAMNとまた一緒に切り開くことができることを期待しています。
たぶん、こういうことをもうちょっとだけ舌足らずな言葉で言ったような気がします。後半は、単なるリップ・サービスではなく、本心です。
たとえばLifehacking Newsletterでも詳細を報じましたが、Facebookにおけるデータ流用や心理プロファイリングの疑惑、ツイッターにおけるヘイトスピーチの無法ぶり、そしてWELQ問題などにみるGoogle検索の汚染の現状をみていると、ほしい情報を得るためのコストは以前に比べて非常に高くなっている現状があります。
しかし、熱量のある記事は以前としてありますし、ブログだけではなく、動画や、配信や、別の形で出口をもとめてさまよっている情報発信のエネルギーはたしかにあるのです。
これまでの「ブログ」という形でそのままマーケティングは難しかったとしても、たとえばYouTube, Twitter, Facebook のストリームを束ねる先としてのブログといったように、形を変えたブログ × マーケティングの可能性はまだまだ試されていないものがたくさんあるのです。コグレさんのオジ旅もそうですし、私も参画しているタニマチメディア「Modul」もそうです。私にもいくつか考えていて実践しつつあるカードもあります。
AMN自身もそれをまだ諦めてはいないことが、レビューズのようなサイトの立て付けをみているとわかるわけです。まだ未来はわからない。ブログがまた別の形で社会において果たすべき役割もあるのではないかという、いくつかの世界線が私には見える気がするのです。
そうした未来への予感をたしかなものにできるように、これからも走り続けることを心のなかで確認する、楽しい夕べとなりました。
このたびは上場おめでとうございました。今後ともよろしくお願いします。