[PR] 人生を満たすピースを見つける、ジョナサン・フィールズ「Good Life Project 」
気力が充実していて仕事がうまくいっているにもかかわらず、家族や友人と小さな喧嘩をしただけで、一気に集中力が失われ、モチベーションが低下するという体験をしたことがあるという人は多いと思います。
仕事とプライベートは別だと、頭で考えていていても、実際にはそうではありません。人間関係は仕事に影響を及ぼしますし、仕事は健康にも影響を及ぼします。人生はどこかで「仕事と自分」「精神と肉体」といったように都合よく分かれないのです。
このことを意識して、人生全体のバランスをマネージメントできているひとはそれほど多くありません。だいたいは直感でなんとか日々のストレスをやりすごしているか、どこかに無理をかけてごまかしながら一日、一日をなんとか耐え忍んでいるのです。
これは体力や精神力が膨大にある、余裕のある人ならばとれる戦略ですが、すでにバランスが崩れてしまっている人や、どのように人生をチューニングすればいいのか見当がつかない人には難しくなってきます。
ジョナサン・フィールズの「Good Life Project:人生を満たす3つのバケツ」はそうした人のために書かれた、シンプルな、「人生のための取扱説明書」といっていい本です。
[Disclosure:本記事は「ライフハック大全」を執筆した縁で、今回「Good Life Project」を刊行した」KADOKAWA社から見本誌をいただきレビューしています。「Good Life Project」の帯には私の推薦文もありますのでよければ書店でみてくださいね!]
生真面目な求道者のジョナサン
私は著者のジョナサン・フィールズにはポートランドで開催されたWorld Domination Summitで何度か会って話したことがあります。これまでに「不安」や「未来の不確実さ」について著書がある彼を、ひとことで表現するならば**「生真面目な求道者」**といってもいいでしょう。
彼は「完璧な人間になろう」などとは提唱しません。どのようにすれば他者よりも秀でた人間になれるかという視点も彼には皆無です。
ジョナサンは、不安や不確実さが多いために未来がやってくるのを恐れている人に対して、やわらかく落ち着かせるような文体で、基本的な内容を一つずつ押さえるタイプの本を書く人で、今回翻訳された「Good Life Project」は彼の人生哲学の集大成になっています。
人生を満たす「3つのバケツ」という発想
そうした考えをもったジョナサンの「Good Life Project」は、もちろん完璧な人生を生きるための指針でもなければ、いまはもっていない才能を開拓するための本でもありません。
それはまさに「Good Life = よい人生」を維持するための具体的なピースを並べて、どこに不足があり、どこに調整を加えなければならないかを客観的に意識するためのフレームワークを提示する内容になっています。
これを実現するために「Good Life Project」は「バイタリティー」「コネクション」「コントリビューション」の3つの心の中のバケツを意識させることをします。
「バイタリティー」は健康さだけではなく、逆境に対する弾性、幸せを感じ取ることができる感受性といったものも含む、身体と心のバロメーターです。
「コネクション」は家族や友人との関係だけではなく、自分自身が世界とどのようにつながっているかという視点を、そして「コントリビューション」は社会的な意義や、使命感、理想といった心の燃料のバロメータになっています。
こうしたバロメーターを抽象的な概念ではなくて「バケツ」と表現したのは、誰にでも理解できるアナロジーを好むジョナサンらしさのあらわれでもあります。
バケツは常に漏れているので「自分はなにが大事かくらいわかってらあ」とばかりに放っておくと、いつのまにかバイタリティーがなくなっていることに気づいて驚くことがあります。
また、一つのバケツが空になっていると、他のバケツを満たすことも困難になります。バイタリティーがなければコネクションも、コントリビューションもままならないというわけです。
では、どのようにこの3つに無理なくエネルギーを注ぎ続けるかについて、要素分解して解説しているのが本書になります。
レゴを組み立てるように、人生を設計してみよう
たとえば「バイタリティー」のチューニングを行うには、目覚めを意識して、睡眠時間を意識して、食べるものの栄養を意識するといったように当たり前の話から、批判を真に受けないための心のシールドの作り方といったピースが紹介されます。
また、「コネクション」では対人関係のピースや、他人からエネルギーを吸い取られないようにするための考え方といったピースが紹介されています。
それぞれの項目について、提示された考えかたをより深く実践するための提案がさらに書かれており、全体として読みやすい構成になっています。
こうした構成を頭に入れてみて感じたのは、これはまるで「レゴ」のようだというイメージでした。レゴは驚くほど創意工夫に満ちた工作をおこなうことが可能ですが、それを実現するにはさまざまなピースを要所要所で適切に使うことが求められます。
本書の3つのバケツを満たすためのさまざまなピースは、なんとなく不安で、不完全に感じている人生に足りないピースをみつけて、具体的にそれを設計するための指針になるのではないかと思います。
本書が合う人
さて、本書は英語の「Good Life Project」の翻訳ですので、ところどころの逸話や比喩はアメリカンで日本の常識からみると「えっ」と驚くものもなかには含まれます。そういう部分は「これはドクター・ペッパーなのだな」と理解して適宜読み替えるとよいでしょう。
本書のフレームワークは完璧な人生哲学というよりは一種のヒントになっているので「3つのバケツ、多数のピース」という捉え方をそのまま自分の人生に必要なものに延長して考えることも重要になるかもしれません。とにかく、どんな人にも読めるように簡単に書かれていますので、その点が物足りない人は、自分の「Good Life Project」を作っていただければと思います。
英語を読み聞きするのが問題ないひとならば、さらに学ぶためにジョナサンのオンライン・コミュニティである「Good Life Project」に加入して、意見交換するというのもいいでしょう。
いつかジョナサンが日本に来るようなら、本書についてぜひゆっくりと話を聞いてみたいと思っています。もし実現するようなことがあれば、またここで紹介しますね。
[ 「Good Life Project 人生を満たす3つのバケツ」ジョナサン フィールズ (著), くるみハウス (翻訳)