なぜ「ライフハック」なんて時代遅れなタイトルで本を? それには理由があります
16日にKADOKAWAから「ライフハック大全 - 人生と仕事を変える小さな習慣250」がついに発売されました。
注文してくださったみなさん、書店で手にとって下さったみなさん、Kindleで購入されたみなさん、本当にありがとうございます。現時点でKindle版は総合で50位、単行本が総合493とよい滑り出しになっています。
地味なブロガーが地味に出している本に、こうして読者がいてくださるというだけで、本当にありがたいことだと身にしみています。まったく、奇跡のようではありませんか。
なぜ「ライフハック」という手垢のついたタイトルに?
今日ちょっとツイートで質問されたのが、どうして本書は「ライフハック」という、あきらかに時代が過ぎたキーワードをタイトルにもってきたのか? という点でした。新しい方向に進んでいない、時代に逆行している感じがしたのかもしれません。
その指摘は半分は当たっていて、本書はこの10年ブログで渉猟してきたさまざまなテクニックを網羅する内容になっていますので、ずっとこの話題を追ってきた人には「また?」と思われるところもあるかもしれません。しかしもう半分は「新しさが目的ではない」というのが説明になります。
たとえば、Hack176に「フランクリン効果」という話題があります。
これは、アメリカ独立の立役者でもあるベンジャミン・フランクリンが苦手なひとから好意を引き出すために利用していたテクニックで、あえて苦手な人に頼み事をするというものです。
その頼みごとは「そこの本をとってくれないか」というくらいに小さなものでも構いません。人間関係が悪くても、相手の頼み事をきいてしまうとその人に対して好意を自然に感じてしまうという人間の心の性質を利用して、フランクリンは性の合わない人との関係を工夫でのりこえていたわけです。
フランクリン効果は新しい話題ではありません。むしろ時間とは関係のない、これまでも、そしてこれからもずっと人間についてまわる性質であり、テクニックとして応用できるものです。
本書では、なるべくこうした “timeless” 「時間の経過を経ても利用可能なもの」を選ぶように心がけています。
古くならないことは、ずっと新しいこと
ですから、この本では多少はいまのガジェットや、クラウドサービスといったものに依存したテクニックも含んでいるのですが、おそらくはこれから5年たっても代替方法があると予想できる基本をなるべくなぞるようにしています。
私の目的は、ライフハックの古典化です。
決して古くならないものをなるべく希求することで、ずっと新しくあり続けられるという線を、あろうことかビジネス書の分野で試みたことになります。そのためにあえて古いキーワードのままタイトルにしてあるのです。これが「人生を変えるテクニック250」だと一気に印象が変わりますから。
初めて読まれるかた、「ライフハック」って言葉に初めて触れる人には、過去の膨大なあれこれやブログ記事をすべて説明することなく、**「あなたの仕事と生活をラクにする方法ですよ」**と説明したい。そのためにこうした基本に忠実で、古典化を意識した構成をとっているとお考えください。
本当は、自動化の章にエグい Python スクリプトでやっていることの話題とか入れても良かったのですが(笑)まあ、それにはブログがあるわけですので。
週末は都内の書店を回っています
本日、東京、秋葉原、池袋、新宿の4箇所の書店をまわってみたところ、大型の書店では(売り切れの池袋を除き)だいたいビジネス書のコーナーに置いてありました。
首都圏、地方の書店にはおそらく週末から並び始める流れになっているかと思います。私も、週末はもういちど都内の書店を回り、POP などを置いていこうと思いますので、ツイッター(@mehori)でみていて近くにおられる場合は声をかけてください。
また、本書をもしみかけたら、どうぞ立ち読みで御覧ください。なんだかこまごまとたくさん文字が並んでいるなと思うはずです。たくさんの項目があるけれども、どれが自分に関係しているのだろうと思ったときは、これは「あなたがラクになるための本」ということを思い出してください。
どこか一つでも、これは試してみたらラクになれるなと思う項目があったら、著者として嬉しいことです。
それにしても。
すごく、
目立ちますね(笑)。
電子の民は、ぜひKindle版も、楽天Kobo版もよろしくお願いします。