君に武器をあげよう。新刊「ライフハック大全:人生と仕事を変える小さな習慣250」11月16日に発売

この夏ずっと書き続けていた「最後のライフハック本」プロジェクト、ようやく最後の編集会議を通過して、タイトルが決定しました。その名も**「ライフハック大全:人生と仕事を変える小さな習慣250」**です。

大全というキーワードは、私がリスペクトしている読書猿さんの好著「アイデア大全」をすぐに思い出しますが、この企画を編集者さんからいただいたときに提示されたコンセプトが「この10年のライフハックのすべてを盛り込めるだけのボリュームを」というものでした。

この「大全」には、2004年に誕生して以来、ブログや本で膨大に書かれてきたテクニックや話題を、私がフィルターとなって250個まで凝縮したという、量の感覚と、時間を経過しても有用性を失っていないという重みを盛り込んだつもりです。

 

そもそも、ここでいう「ライフハック」って?

ライフハックというと「◯◯なライフハック」という言葉がネットでは定型句になっていて、主に揶揄する言葉になっていますが、もともとはプログラマのための作業効率化の用語として誕生したものでした。

言葉としては、2004年の年末に行われたオライリーのカンファレンスでダニー・オブライエン氏が発表した「ライフハック:生産性の高いアルファギークたちの習慣」という講演が元となっています。

生産性の高いプログラマーたちは10倍も100倍も才能や技術をもっているのではなく、日常に近道を生み出す、他人に教えるのが恥ずかしいほど簡単なスクリプトや習慣を心がけているというのがダニーの講演の内容で、それを「ライフ(人生・生活)」を「ハックする(鮮やかに解決する、というほどの意味)」と表現したのがライフハック(Lifehacks)だったわけです。

名前がつけられたことで、ライフハックはプログラマーだけではなく、ビジネス、生活のシーンでもさまざまに提案され、爆発的にそれをテーマにしたブログが増えたのが2005年から2007年頃の話です。

日本でも、ブログ「百式」の田口さんが中心となってとりまとめた「Life Hacks Press」が出版されたのが2006年で、仕事術の一環として広まり、用語としても浸透したわけです。

なぜいま、「ライフハック大全」なの?

それは本書を書き始めたときに、だいぶ悩みました。どの話題も、最初に登場してからけっこうな時間がたっていて、新しさがないのではないか? 仕事のシーンが一変した2017年の現在に意味があるのだろうか? と逡巡したわけです。

そこから立ち直ったのは、よくネットを検索してみると、意外に10年前の記事はもう流通していないことに気づいたのがきっかけでした。たとえば「ToDoリスト」の作り方といった簡単な話題も散発的にしか登場しておらず、いま仕事を始めている20代、30代の人にとって、これまで蓄積されたノウハウに触れる機会が少なくなっていると思ったわけです。

そこで、私のなかで本書のテーマは、**「君に、武器をあげよう」**という掛け声になりました。うまくいってないことがあるなら、ラクにしたい、解き放たれたいと思っていることが仕事や生活にあるなら、ここに武器と道具をすべて用意したので、それを装備していくといい。そのように自分にいいきかせて執筆しました。

どんな人にむけて書かれたの?

本書の構成は8章に分かれています。

時間を生み出すための時間管理の1章、仕事をラクにするためのタスク管理の2章、有限のアテンションを節約して、MPを減らさないための集中する仕組みの3章、情報インプットの4章と、アウトプットや発想術の5章。そして、チームワークやコミュニケーションハック、マインドハックをカバーしている6章、生活や旅行のなどの細かいハックをカバーする7章。最後に「やめない」ことを続ける習慣術と題した8章です。

300ページほどの本で250項目ですので、さすがに一つ一つの項目はそれほど深く掘り下げることはできていません。しかし、重要と思われる場所は複数項目に分割して説明したり、章と章のあいだに有機的なつながりがうまれるように、キーワードを配置しました。また、図版と写真も100点ほど作成して、見ることで伝わるようにも工夫しています。

本書を読めば、たった一枚の紙から仕事をラクにするToDoリストの基本的なつくりかたから、情報をインプット、アウトプットするためのテクニックなど、私がブログでこれまで網羅してきたことがすべて一冊にまとまっていることに気づかれると思います。また、すでに絶版になっている私の本、何千という自分と世界中のブログ記事、数十冊の洋書などから、これは次の10年も残すべきと思うものだけを選ぶようにしています。

本書は、これまでこの分野に触れたことがなかったひと、いまこれを必要としている人にむけての入門書であり、この一冊で十分というリファレンスになることを目指しています。逆に、これまでライフハックの分野についてたくさん読んでこられたかたには「ああ、こういう話題があったね」と懐かしくなるような同窓会のような気持ちで読める本になっているかもしれません。

出版予定日は? 予約は? 電子書籍は?

さて、すでに本はほとんど完成しており、これからそのデータを使って最後の校正と電子書籍版の制作がが行われているところです。電子書籍版も、同時に発売されるという進行になっています。

予約開始はこの週末から週明けのうちに始まる予定ですので、Amazonで「ライフハック大全」で検索をしていただければと思います。発売日は11月16日。ちょうど47日後です!

予約が始まりましたら、また個別の記事にすると同時に、この記事もアップデートしますので、こちらをチェックしていただくのでもけっこうです。

もしよろしければ予約していただければ確実に発売日に届くと思いますし、私がたいへん喜びますのでぜひよろしくお願いします。

それでは2ヶ月まで、もう少しだけおまたせしますが、私の渾身の一冊をお届けできるのを楽しみにしています。ぜひご期待ください!

https://twitter.com/mehori/status/913274096376455168

ツイッターでもハッシュタグ、 #ライフハック大全 で情報を出してゆく予定ですのでこちらもどうぞよろしくお願いします。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。