Mediumの新しいホーム画面と、オーディオ読み上げ機能

欧米では意見を表明する場として個人ブログを完全に置き換えた感のあるMediumには、コンテンツを探す方法が限られているという制限がありました。

フォローしている人や、パブリケーション、インタレストが適宜キュレーションされて表示されるのはいいのですが、たとえば友人の投稿だけを読みたい、このテーマだけ読みたいという場合には一手間必要だったのですね。

それに対応する新しいキュレーションされたホーム画面が、有料ユーザーにはしばらく前から使用可能だったのがこのほど全ユーザー向けに公開されました(Medium本家の告知)。

新しいホーム画面は、まず最初に自分がフォローしている友人が、そしてその次に選択したテーマからの記事が数個ずつ表示されます。

[ そのテーマで最も読まれている記事が自動で選ばれますが、クリックひとつでさらに他の記事を探すことも可能になっているのが便利です。

Mediumにアクセスするとき、私の場合は「なんでもいいから読みたいな」と思っていくことはあまりありません。

だいたいは、「フォローしている人は新しいことを書いていないか」「この方面で新しい論説はないか」という気持ちで開きますので、それに応えてくれているような記事の見せ方は歓迎です。

有料会員には、音声読み上げ機能も

また、有料会員にのみ公開されているトップ記事の一部は、オーディオで聴くことができるようになっています。

これは機械音声による読み上げではなく、ちゃんと声優が録音したものですから、全ての記事について提供されるわけではありませんが、誰もが読んでいるトップ記事については読み方に選択肢ができて嬉しい機能追加です。

今後、著者が自分でレコーディングをアップロードできるようにすることも検討されているそうです。

[ この読み上げ時にはオーディオ再生画面を小さくたたんで別の記事を読み続けることができるのも、Mediumにおけるワークフローを変えそうです。

Mediumを新しい受信箱にしないために

こうした機能追加は、Mediumをもう一つの受信箱にしてしまい、「処理しなければ」と思わせないようにするための小さな、でも必要な修正です。

3分あるならMediumを開いて、何か良いものが得られるという確信があるなら、もっと読むようになるだろうからです。

問題は、事実上Mediumチームが日本撤退してますので、キュレーションのテーマが日本語に対応しないといった行き止まり感があるところです。

このあたりはMediumのアメリカにも質問を出してみていますので、なにか返事があったらご紹介したいと思います。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。