毎日に余裕をうみだす「引き算」の習慣

新年に新しい習慣について考えている人は多いと思います。新しいことにとりくむのはわくわくしますし、こうした機会に新しい行動を試したみたいと考えることは希望に満ちているとおもいます。

しかし、新しい行動の多くはそれだけ余計に時間がかかることで、それでなくても忙しい毎日を送っていた人には、なにかを諦めない限り負担だけが増す結果になりかねません。

そこで意識したいのが、「今よりも◯◯をしよう」という足し算の習慣ではなく、実践するほど余裕が確保できる「引き算」の習慣です。

第一の引き算

第一の種類の引き算は、最良の状態を維持するために気をつける習慣です。これはたいてい、何かについて無理をしない、あるいは自分自身を客観視できる環境を維持するという形をとります。

たとえば**「一日6-8時間の睡眠を必ず確保するように動く」**という習慣は、無理してなにかをするよりも活動時間は制限されるかもしれませんが、結果的に起きている時間により成果を短い時間で出せる可能性があります。

私の場合は、**「毎日手帳に何かを書く」**というのもこの種類の習慣に属しています。というのも、手帳になにも書いていない時期が長く続くのは、必ず不調なときだからです。それを逆手に取って、手帳に日記を書き、自分を振り返っているとトラブルを未然に防ぐ傾向が強いのを経験で知っています。

あるいは、タスク管理における週間レビューもこの種類に属するでしょう。自分自身のメンテナンスのための時間をちゃんととることが、それ以上の活動をする前提条件なのですから、おそろかにはできません。

第二の引き算

第二の引き算は、余裕を生み出すために減らせることを一つか二つ選んでおくことです。「メールを一日に2回だけチェックする」「スマートフォンに触る時間を減らす」「Twitter / Facebook に滞在している時間を減らす」といったものがこれに該当します。

必ずしもこれらは「悪いものを排除しろ」という話ではなく、毎日30分の読書の時間を打ち消してしまうような、つい時間が長すぎてしまうような活動に安全弁をつけるという程度のものだったりします。

スマートフォンを禁止するまでもないのです。でも、一日4時間以上それをいじくっているという確信があるなら、たとえば午前中はスマートフォンに触ってはいけないといった軽いルールを作るだけでも、一日の終わりに時間が残ってくれる可能性が高くなります。

余裕を生み出せば、有用なものが増える

大きな目標もいいのですし、大きな野望を実現するには根本から行動を変える必要があるのもたしかです。

その一方で、毎日の状態をチューニングしておくことも、そうした活動の前提として外せません。特に年齢を重ねるうちに、しだいに集中力や、一度に使える体力は減っていきます。減った分を無理して取り戻すことは不可能なので、減らせる部分は減らし、余裕を生み出せる部分は余裕を生み出す習慣を意識しなければ、アクセルばかり踏んでも前に進まない毎日が待っています。

個人的には、スマートフォンに触る時間がさいきん過剰すぎることはだいぶ意識していました。スマートフォンを封印する場所を探して、もっと考え事をしなければいけません。

読書と考え事のための時間をもっと確保するために、なにか引き算できることをもっと作り出してゆくこと、これは今年前半くらいをかけて、さまざまに試しておきたいと思っていることです。また何か、発見があったら記事にしたいと思います。

(今日やったこと)

さりげなく、もう一つのブログ、「ライフ×メモ」のテーマを変えていました。まだロゴなどが変わっていない部分や、メニューが作成されていなかったりしますが、数日で直せると思います。

あと、元旦から「ライフハックLiveshow #217」をやっていました。今回は今年のコンテンツ作成の抱負みたいな話題です。

(明日の予定)

今日の記事は、「引き算の習慣」について。明日の記事は、おそらく Medium での情報収集について。発見と網羅の2面から。

— 堀 E. 正岳(ほりまさたけ) (@mehori) 2017年1月1日

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。