iOS版「精選版 日本国語大辞典」は検索と履歴でさらにマニアックに使える
日本最大の国語辞典といわれる「日本国語大辞典 第二版」を30万項目・30万用例に凝縮した「精選版 日本国語大辞典」のiOS版が、その膨大な収録範囲と機能、そして1月31日まで4800円という破格のセールで話題になっています。
このアプリの魅力は、日本国語大辞典がもっている豊富な用例にダイレクトにアクセスできる秀逸な UI で、そのようすは興奮気味にこちらの Buzzfeed の記事にまとめられています。
「即買い以外にないですよ」日本最大の国語辞典がiOSアプリに。おすすめの使い方を聞いてみた | Buzzfeed
この、主要出典別の一覧なんて、スクロールさせているだけでうっとりとしてしまうのですが、ギークな使い方としては高度な検索機能が、かゆいところに手が届いて日常の言葉探しに近道を作ってくれます。
たとえば昨日も、文章の中で鉄の鋳造や炉に関係する比喩を使いたいと、漠然と考えていたときに、このように「鉄」という字に対してパターン検索を行いました。
この検索機能は、本当に考え抜かれて作られており、「*」は正規表現同様ゼロ字以上のマッチ、「?」は任意の文字、そして辞書ならではの「@」任意のカナ、「#」任意の漢字というマッチを自在に使えます。
この機能のおかげで、知っている熟語から関連した、より自分の表現したいものに一致している言葉へと発想を広げることが自在にできます。
しかも表示は一瞬。笑えるほどにすごいスピードなのです。
アプリ内の遷移もよく練られています。たとえば検索結果の一覧表から一つの候補に飛んだとして、すぐにその前後の候補を表示したり上下にスワイプして検索窓にもどったりといったことが直感的にできます。
30万の用例があっても、アクセスできなければ意味がありません。でも「精選版 日本国語大辞典」アプリは、この検索機能と UI の秀逸さで、どんどんと思ってもみなかった言葉との出会いを促してゆくのです。
項目をみているさなかに、「この言葉はなんだろう」と思うこともあります。そんなときも、その部分をスワイプするとすぐに関連項目へとジャンプしてくれます。
このスワイプも正確である必要はなく、目的部分が含まれるようにゆびでなぞると、もっとも相関する部分が表示されるらしく、この柔軟さがすばらしい。
さて、こうして言葉から言葉に飛び歩くのが楽しくなってくると利用が頻繁になるのが、履歴機能です。
これがまた、ちゃんと利用者のことを考えて設計されていて「表示した履歴」と「検索した履歴」が別になっていて、いくらでもさかのぼることができます。
何十個も言葉を調べたあとで、「10個前ほどに目の前をよぎったあれが気になるな」といったときも、すぐに見つけることができるのです。
これ以外にも、iPad ならば Split View での呼び出しが才能ですし、3D Touch による解説文の覗き見、カラースキームのカスタマイズなど、利用を助けてくれる機能ばかりです。
この充実度なら通常価格の 7800 円だって安いと感じますが、それが 1月31日までは4800円のセールというのですから、黙って買うべしというくらいのお得さ。
膨大な用例から日本語の美しさに触れる楽しさを、ぜひ体感してみてください。