どれを選ぶ? Wacom Bamboo Slate / Bamboo Folioの大小・屋内外・家庭と仕事での使い分け

ふだん使っている紙をデジタル化することができるWacom Bamboo Slate / Bamboo Folio について、イベント開催以降、実際に試してみたり、レビューしてみたブログが増えてきました。この製品の特徴については、これまでの「紙をデジタル化」するデバイスの中でも:

  • ふだん利用している紙やノートをそのまま使える

  • 大きさが二つあるおかげで、利用シーンに合わせて選ぶことができる

という二つの点がポイントだと思います。そこで、これまでこの製品を紹介してきたブログから、利用方法をピックアップしてみたいと思います。また、私自身の使用していてのバランスについてもまとめておきます。

大きいほうか? 小さいほうか?

まず最初に悩むのは、A4 用紙をまるごと置くことができる Bamboo Folio か、A5 ハーフレターサイズの Bamboo Slate がよいかという点です。これについては、どれだけ持ち歩くか、どこで使うかが決め手になるでしょう。 歌凛のBlogさんでは「本社と支社」を何度も行き来することを念頭に、小さい Slate のほうをレビュー用に選んだという記事にしています。

[Bamboo Slate で、アイディア管理 A4の #BambooFolio と悩んだのですが、より軽量で仕事バックに収まるサイズが良いなと思い、#BambooSlate をチョイス。 最近は本社と支社を週に何度か行き来するので、移動中に浮かんだアイディアをちょっと書き留めて、クラウドに保存共有するという便利なデジタル文具を、しっかり活用していこうっと。 もっぱら社員教育、特に若手社員の研修体系の構築が急務なわけで、でもコストはあまりかけられないし、まずはマストなスキル研修を書き出し。こんな時にアイディアが浮かんだら、#BambooSlate に書き留めておくのがベター。 もう少し使いこなしたら、使用感レポを書きます。 #makingideas #次世代デジタル文具 #デジタルメモ](https://www.instagram.com/p/BMm6e5wA-se/)

歌凛 相互フォローお願いします❤️さん(@chicoma39)が投稿した写真 - 2016 11月 9 3:35午後 PST

逆に、面積があると便利な作業に使うことを念頭においている場合は、むしろ机の一部分のようにして使うことが想定されます。デザインの仕事や、ラフイメージを描く必要のある人は、Bamboo Folio を据え付けで使って、まるでパソコンの画面の一部が拡張されたイメージで使うとよいでしょう。

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ブログ「QT/mode」さんでは、小さい方の Bamboo Slate を使ってみたあとで、Bamboo Folio を使ったところ、旅行サイトの作成といった頭のなかで面積が大きい作業がスラスラと書けたとリポートしてくださっています。描くときは面積があるのですが、スマートフォンに取り込むと小さくなるという変化も見逃してはいけません。なんでもスマートフォンでできる時代ですが、大きな筆跡でアイデアを描いて、小さく手元で確認するということも、Bamboo Folio だと可能になるのです。

屋内で使うか? 屋外で使うか?

こうしたデジタルデバイスは屋内で使うのが普通ですが、Bamboo Folio / Bamboo Slate で思い出したいのは、書いている最中は本体の電源が入っていることが必要なだけで、スマートフォンとの同期はあとでもかまわないという点です。

なので、出先で打ち合わせが多く、イメージを紙に書き取りたいといったときに:

  1. Bamboo Folio / Bamboo Slate を取り出す

  2. 電源をいれる(数秒)

  3. 書いて、保存ボタンを押す

という手順だけでデジタルノートが完成していきます。そして、書いた紙は打ち合わせ相手に渡してしまっても、よいという使い方ができます。

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そう考えると、このようにBamboo Folio にたとえばいつもつかうリーガルパッドを挟み込み、研修会やイベントのメモ取りに使うということもできます。

また、家庭やオフィスというのではないという意味の屋外での使い方として、イベントなどでの利用も考えられます。ブログ「りょうの果てしなき日記」さんでは、Bamboo Folio / Bamboo Slate の使い方として、イベントの受け付けや出席簿として使うという提案をしています。

この場合、紙は白紙ではなくてよく、「名前」「連絡先」「会社名」といった通常の受付用紙を挟んでおいて、来場者に自然に書いてもらうだけでデータができあがるのです。これ、とてもスマートですよね?

そうして考えると、いま店舗で「名前を書いてください」と言われている場所をこのデバイスで置き換えてゆくソリューションだって考えられます。領収書の作成や、アンケートといった使い方もよいでしょう。

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外で思い立ったときに使えるということを推し進めると、こうしたことも起こります。ちょっと手元に情報カードがなくなった際に、喫茶店の紙ナプキンのうしろにアイデアを描いて取り込んでしまうというものです。

メモををしたあとは、保存ボタンをおし、スマートフォンに同期させてからEvernoteに保存してテキストを追加しておくだけで、手書きメモからのノートとなって有用性が高まります。このあたり、完全にスマートフォンだけでおこなう・完全に紙だけで行うということの両方のいいところどりができるのです。

家庭で使うか? 仕事で使うか?

Bamboo Folio / Bamboo Slate の利用シーンとしてはまず仕事場でのものが思いつきますが、発想を変えてゆくと家庭などでも利用できる場面は増えてきます。

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私の場合は Bamboo Slate を仕事場の横において作業のメモをとり、作業が終わったらデジタル化して紙は捨ててしまうという作業スタイルをとっています。作業は紙で、保存はデジタルで。これが実は手っ取り早いのです

家庭での利用方法としては、「子供のイラストに」という意見がブログでは多く見られました。描いた結果だけではなく、描いた順序も保存できるというところに、これまでにないメディアを感じた人もいたようです。たとえばブログ「ネタフル」のコグレさんは、それを絵が湧き出してくると表現しています。

絵が湧き出してくる!ヒストリー機能、面白い!! #makingideas pic.twitter.com/foqgU6cmDG

— コグレマサト/(^o^)\ (@kogure) 2016年10月13日

ブログ「Modern Syntax」のモダシンさんは、数式などの組み立てをあとで追跡してどこで間違えたかを考えたり、絵の上手い人の描く手順を可視化するのにも使えると指摘しています。

漢字の書き取り練習にブログ「毛糸玉のSTEW」さんでは、漢字の書き取りに良いのではないか? 学校の先生になって使ってみたい!というアイデアもありました。これも、ふだんのノートの下において使うだけで可能ですので、練習に使うにはよいのではないでしょうか。子供はおもわぬところで書き順を間違えていますので。

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うちの子供達の場合は、与えておいたら、いつまでもウサギなどの落書きに使っていました。これはこれでいいですね。

あとは家庭での利用方法として、そろそろ日本でも定着しそうなのがレシピの記録というものです。アメリカの家庭料理は手書きで書かれた小さなレシピカードで伝承されたものですが、書くのはパソコンが入らないキッチンという現場で、シェアするのはスマートフォン上なのですから、こうしたツールはこのギャップを埋めてくれるかもしれません。

紙を置き換えるのではなく、もっと便利にする

大小・屋内外・家庭と仕事という側面をみてみましたが、これだけの幅ができるのも、Bamboo Folio / Bamboo Slate が持っている特徴がある意味「正解」だからです。繰り返しになりますが:

  • 普段の紙をそのままつかえる

  • タブレットが本体で、ペン自体に充電などは必要ない

このバランスのおかげで、場所を選ばないという利用シーンの広さと、タブレット側の電池が長持ちするのであてになるという信頼性を生み出しているのだと思います。

この組み合わせは、紙を置き換えるのではなく、紙をもっと便利にするという点で画期的です。専用のノートに縛り付けられるのではなく、不要ならば紙は捨ててしまうことも、大事にとっておくことも可能というのは、紙の使い方を増やしてくれているのです。

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上でも紹介したブログ「QT/mode」さんでは、下書きを鉛筆でしてから、Bamboo Folio / Bamboo Slate のペンで仕上げをするという2段階の作業に利用するという試みもしていて、これだと思いました。

下書きは紙のうえでおこなうのが効率的。描くのも紙の上で行いますが、結果はデジタルにしたい。そしてちゃんと下書きもして美しいものを世に出したい。そう思った際の最速の解となるわけです。

こうした組み合わせがまだまだこの製品の周りにはある気がします。というわけで、大きい方の Bamboo Folio と、小さい方の Bamboo Slate、もうしばらく使ってみたいと思います。

値段もそれなりに手頃ですので、プレゼントなどにもよさそうですよ!

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堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。