Omoidoriで古いアルバムをスキャンする。これは写真を「救う」ガジェットだ
アルバムに立てて、iPhone 5 /6 をセットして撮影するだけ。Omoidori は先日も紹介したとおり、個人アルバムという消えゆくニッチを愛おしむ製品です。
先日の記事は「スキャン率に問題あり」ということを書いていたのですが、この製品がターゲットにしている時代物のアルバムを実家からもってきて試してみたところ、なんと劇的にスキャン率が向上して驚きました。なんだ、最初からこちらにカリブレーションしてあったのでしょうか?
試してみたのはこのような、厚手の台紙に写真をはりつけているタイプのアルバムです。フチありの写真もあれば、フチ無しの写真もあり、そして端の方はもう変色しているなど、年代物のアルバムらしい条件がそろっています。
Omoidori のアプリで写真をなんとなくフレームにあわせて「スキャン」をおこなうと、この通り。これは完璧にできています。フレーミングにそこまで気を使わずに自然な流れでスキャンすると1枚あたり7-10秒といったところでしょうか。
もう一枚やってみます。フレームはこのとおり、上を一致させると下が一致しないといったように、台形補正の限界からくるゆがみで完璧には入ってくれません。でもなんとなく枠全体に写真がおさまっている状態にして「スキャン」をすると:
このとおり。完璧です。最近のアルバムよりも、やはり古いアルバムのほうが正確で、的確なスキャンができているようです。そして、写真の色合いがまた、台紙に貼ってあって反射しているよりも、スキャンしたほうが美しく感じられるというのがよいです。
そして、かつてあった風景、かつていた人を一枚ずつスキャンしてゆくときのこの愛おしさ。これはもう、ぜんぶ剥がして効率よくスキャンするという手続きでは得られない感情です。
日付認識にはまだ若干の改良の余地あり
Omoidori の機能に、写真上の顔を自動認識して向きを補正したり、印字してある日付からEXIFデータを作成してくれるというものがあります。
画像の向き補正は厚手のアルバムの場合、人物が写っているならほぼ問題なくできていたように思います。日付に関しては、さすがに昔のカメラにはさまざまな日付の表示方法があるのですべてには対応していないようです。
うむ。これは難しいと思います(笑)。
この機能がオンになっていると、こうして意外な日付がついてしまう場合がありますので注意が必要です。スキャンできない日付フォーマットの場合は、オフにしておくのが無難ですね。
Omoidoriは、写真を救うガジェット
こうして古いアルバムに対して使ってみて感じたのは、これは「写真を救うガジェット」だということです。それは写真そのもののデータを保存するというだけではありません。
Omoidori は撮影するために、必ずアルバムを開いて、思い出を渡り歩きながらスキャンしなければいけません。このプロセスがすでに写真を忘却から救っているのです。
アルバムを開いて、「この写真はなに?」「あー、これはね」という会話が繰り広げられるたびに、写真のデータのなかにこの会話の音声記録を残しておきたいほどです。写真は、映像だけではなくて、写真がとられた場所、写っている人、その思い出を語る声、すべてが思い出なのです。写真は、思い出を呼び覚まして記憶に感光するきっかけなのです。
Omoidori を囲んで写真を楽しむ時間は、他のガジェットでは得られないノスタルジックな満足にあふれています。この時間を生み出したということがこのガジェットの凄さであり、最大の功績ではないでしょうか。
Omoidori は、iPhone の大きさにも条件がありますが、条件があうようなら家庭に1台、あるいは贈り物にもよいのではないかと思います。
思い出の写真についての記憶が消え去る前に、ぜひ Omoidori を囲んでアルバムを開いてみてください。
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