長文を途切れなく口述筆記できる「音声認識装置」アプリ

以前にも何回も書いたとおり、私は音声認識でブログを書くことがよくあります。車に乗って通勤しているときに、走っている間に次の一段落について考えを立てて、赤信号で止まったときに一段落ずつ文章を追加していきます。

もちろんそのまま投稿することはまれで、いい間違いやミスタイプ、あるいは語彙や句読点を調整してからでないと記事にはなりませんが、アイデアを頭のそとに追い出しておけば、後で編集するのは楽です。こうして車の中でブログの8割ぐらいを書いてしまえば、あとでとても楽ができるわけです。

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iOSの音声認識機能はとてもよくできていて、ほとんどの場合は直接EvernoteやUlysssesなどといったアプリに文章を後述できるのですが、長い文章をいちどに認識させていると途中で切れてしまうという制限があります。やってみるとわかりますが、途中で途切れてしまうと、同じことをもう一度途中から口述するのはなかなか大変なんですよね。

これを乗り越えるのが「音声認識装置」という、ちょっとごつい名前のアプリです。音声認識装置はいちど音声認識を始めると、それをずっと持続して認識させ続けることができます。

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認識した文章はその場で再生することも可能ですし、ウェブの検索に利用したり、ツイートやFacebookの投稿にしたり、あるいはコピーして別のアプリに挿入したりといったことができます。

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もちろん途中で音声認識を一時的に止めて編集することも、そして音声認識を再開することもできます。ここまで読んだ方はもうお気づきだと思いますが、このブログ記事もほぼすべて音声認識によって後述したうえで編集しています。

いくつかの制限

「音声認識装置」の認識エンジンは iOS 固有のものではなく、Nuance 社のものを使っている点が違います。設定で話す速度を切り替える機能、日本語以外での認識なども可能ですので、インタビューの文字起こしなどにも使えます。

少し残念な点は、アプリの作りが少し古く感じられるのと、値段が高め(1200円)なこと、そしてアプリを Evernote や Dropbox と接続して、認識したテキストを保存できるとよいなと思いました。しかし認識率は非常によいので、口述することが多い人にはおすすめです。

このアプリを紹介してくれたウェブライターの武者さん(@mmmryo)、どうもありがとうございました!

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。