目標管理を可能にするGoogleカレンダーの新機能。未来的で、融通の効かない第一印象について
目標に向けて努力したり、スキルを習得したり、単にリラックスする時間を確保したい。でもそれを割り当てる時間は? それ半自動的にみつけてくれる新機能がGoogleカレンダーに登場しています。
実際に使ってみたのですが、未来的な発想でありながらこの融通のきかない感じ、なんといえばいいのでしょう。可能性とそこまでに至る道程の長さを同時に目の当たりにした気がします。
まずはこの新機能について、そしてどういった点がまだまだ難しいのかについて紹介したいと思います。
目標を決めて、時間をみつけてもらう
ゴールを設定するには、Googleカレンダーのアプリを立ち上げて、そちらから管理したい目標を設定します。
アクティビティには運動や、読書、瞑想などといったように、繰り返し実行したいものがあらかじめ登録されていますのでそれらのなかから選択します。
アクティビティを選択すると、実行したい頻度と、一回あたりの時間を選択することができます。また、午前・午後の時間帯を選ぶ画面がこれに続きますので、「午前中に30分の読書」のような設定の仕方もできるわけです。
最終的に設定されるのはこのような繰り返しイベントになります。
ただし、このイベントはGoogleカレンダー側が管理している特殊なイベントなので、時間を変更するとそれにあわせて他のゴール時間も変化するような自動的な動きをします。
過去の実績にあわせて、自動的にいちばん実践しやすい時間にあわせてゆくというのがこの機能のイノベーションだというわけです。
面白いアイデア…でもちょっと融通がきかない
これまで「予定を登録する」ことだけが主目的だったGoogleカレンダーですが、これは時間をコンピューターに管理させるという部分が入ってきたのが面白い変化です。
繰り返し読書の時間を22時に変えていると、それ以降の読書の予定時間が22時に変わりますし、その時間帯に別の用事があるなら避けてくれるくらいには、私の予定にあわせて変化するという機能をもっています。
しかしそれもあって、あらかじめ「ここは食事時間」「ここは出勤時間」という情報をいれておかないと、とんでもない時間に目標を設定してくるということもしてくれます。
最初に登録した「読書」ゴールはすべて夜の19:00に設定されてしまい、最も忙しい時間帯でした。いちいちそれをGoogleカレンダーが覚えてくれるまで未来にシフトするのは、なんという無駄な作業といえます。
Fantastical のような外部アプリを使っている場合には、ゴール関係のイベントは同期はされるものの、移動したりといった操作は反映されないこともありました。おそらくは、これらのイベントが Google カレンダーによって管理されているからですね。
発想は面白いのですが、こうなるとGoogleが時間をみつけてくれているのか、結局は自分が時間を設定しているのか分かりづらくなってきて本末転倒感が強くなります。
しかし明らかに未来はこの方向の先にあるのは確かです。今日の仕事や予定に対して、カレンダーや腕につけたデバイスが「そろそろこの予定ですよ?」と私たちの生産性を高める方向で促しを与えてくれて、有能な秘書がついているかのように必要に応じて意識の表層に浮かび上がらせてくれるわけです。
意識しなくてよいように機械に任せる部分、そして自分が手を動かして登録する部分。その境界線上が今後機械の側に向かって進化してゆくのかどうかが、要注目です。