[OSX] アプリ間であらゆるオーディオを転送するLoopback

ん…? え…? つかう!つかいますとも!

AirfoilやFizzionなどといったオーディオツールで有名なRogue Amoeba(ローグ・アメーバ)の新アプリLoopbackは「アプリ間でオーディオをルーティングするツール」といわれても何のことかすぐにはわかりません。

でも説明をちょっと眺めてみると、これはいままで出来なかった「あと一歩先」へとオーディオを届けてくれるツールなのです。ポッドキャストをしているひと、音楽のレコーディングをしているひと、スクリーンキャストをしている人などには、贈り物といえるでしょう。

オーディオを合成して仮想インプットを作る

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Loopbackの使い方には大きく分けて2つの方法があります。複数のオーディオ入力を合成して、一つの仮想入力を作るのと、パス・スルーを作成してアプリからアプリにオーディオを転送するのとです。

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たとえば、Skype で通話している人にあなたが iTunes でかけている音楽を聞いてほしいということがあります。そうしたときは Loopback で「マイク入力」と「iTunes」を合成した一つの仮想入力を作成して、それを Skype の音声入力として指定します。

すると、普通にマイクで話し、iTunes で音楽をかけたものが合成されて Skype に伝わりますので通話している人は全員両方を聞き取ることができます。便利!

マイクやiTunesといった入力チャンネルを合成して、仮想的に一つの音声入力チャンネルがあるかのように振る舞うわけです。システムレベルで動作していますので、アプリ側は音声入力を選ぶ機能さえあれば、対応できます。

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たとえばスクリーンキャストをしている際に、「マイク」か「システム入力」のレコーディングを行うというケースがあると思います。でもこれだって理想的な方法とはいえません。

Loopback を使えば、接続したマイク入力と、アプリから生成される音だけを合成して一つの仮想入力を作り、それをレコーディングするといった柔軟な方法がとれます。

生放送番組をしている人なら、マイクと、ブラウザからの音と、手元の別のオーディオ入力からやってくる音声を合成してレコーディングしつつ、生放送の入力チャンネルにかませて、なんてこともできるわけです。

パス・スルー仮想デバイスを作成して、オーディオをアプリからアプリに

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Loopbackのもう一つの使い方は、Loopback自身のなかに仮想的な「パス・スルー」(通過)デバイスを作成することでアプリからアプリに音を転送するという方法です。

たとえばあるアプリの出力先を「スピーカー」にするかわりに Loopback の Pass-thru デバイスに振り向けます。次に、別のアプリのオーディオ入力をこの Pass-thru デバイスに設定すれば、あるアプリの音が別のアプリに飛んでゆくわけです。便利だ!

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これはポッドキャストのレコーディングなどで重宝するしくみで、録音しつつリスナーの人に配信するようにソフトウェアのチェーンを作成したりといったことが簡単にできます。専用機器なしで!アプリだけで!

価格は現在 $75 で、のちに $99 になるそうですのでけっして安い買い物ではないのですが、ポッドキャストや Liveshow をやっている人にとっては有効な武器となります。

これを使えば、いままで Hangouts on Air で Youtube をかけても音がリスナー側には聞こえなかった問題も解決です。こういうかゆいところに手が届くアプリを作らせると Rogue Amoeba はすごいですね。

というわけで速攻で購入です。音をいじくる人ならぜひ。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。