最高の光を手元に届けるDyson CSYS タスクライト

ダイソンといえば掃除機が有名ですが、それ以外にもエアクリーナーから空調にハンドクリーナーまでさまざまな製品を独特なエンジニアリングで開発しています。そのなかの一つ、CSYS(シーシス)タスクライトは、創業者ジェームス・ダイソンの長男、ジェイク・ダイソン氏の事業だったものを傘下に加えた製品です。

LED光源は、その明るさの代償として自らが発する熱によって自分自身が劣化してしまうという弱点をもっています。CSYSライトは、人工衛星の冷却と同じ発想のアルミニウム製のヒートシンクによって、光源を常に55度程度に放熱し、その結果154000時間もの長寿命を実現しています。

しかしこのデスクライト、それなりの値段がします。スペックでよい製品であるとはわかっていても「ライトにこの値段かあ」と思ってしまうと気軽に手が出せる製品ではありません。

実際はどのような製品なのでしょう? 長く使うと、どのような利点、欠点があるのでしょう? それを、長期レビューの観点からご紹介します。

CSYSタスクライト、セッティング編

今回、Dyson レビューブロガーの一員としてCSYSタスクライトを提供していただき、長期間にわたって使ってきました。使ったのは CSYS desk、卓上での使用を想定したものです。

CSYSタスクライトは横に長いアームと縦の支柱で構成された十字形の形をしていて、デスクライトとしては奇妙な形をしています。普通はアームが自在に動き、固定できるのが良いとされるわけですが、あえて不自由をとりこんだデザインといえます。

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アームは建設用クレーンと同じ要領で上下するカウンターウェイトのおかげで、上下、奥行きのxy軸のどの位置にもすっと移動させることができます。

アームを最も奥に押した場合はうしろに飛び出しますので、壁に近すぎる場所には置くことが不向きです。しかしこれは後述の理由であまり問題になりません。

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では、軸方向にはどのように移動するのかというと、こちらの台座がそのまま回転します。台座は通常のデスクライトなどに比べれば重く作られていて、非常に安定感があります。

またボタンは一つだけで、このボタンを一度押すと点灯、長押しで光量を連続的に変化させることができます。

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デスクライトといえば思った場所に固定するのに曲芸の要領でバランスさせないといけない印象がありますが、CSYSライトはこのアンチフリクション ベアリングのおかげもあって、どのポジションにも指先ひとつの軽い力で固定できます。

あの、ライトをここに固定したいのだけれどもアームの重さで微妙にズレてしまう問題が、CSYSタスクライトにはありません。これだけでも、デスクライトにもっているネガティブな印象から開放されます。

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というわけでセッティングした状態がこのようになります。アームを奥にしたい場合を考えると、机の左奥ギリギリに置くことはできません。押し込んだ時に逆からアームが飛び出した分が壁に突き当たってしまうからです。

幸い、私の書斎は出窓となっていますので、この部分にアームが飛び出す角度にしたらちょうどいい具合になりました。検討されているひとは、規格上の奥行き527mmのうち、およそ20cm分ほどが飛び出す空間を机の周囲に見積もって、CSYSタスクライトがどのように空間を動き回るか想像してみてください。

CSYSタスクライトの光

では、実際の光の具合はどうでしょうか? CSYSタスクライトは色温度2700Kの暖色系の色を下方に円錐状に投じます。斜めや横にはできません。最初、これは欠点ではないのだろうか? と思うのですが使っているうちにどうしてそうなっているのかがわかります。

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CSYSタスクライトでは、587lxの強力な光が、このような円錐状のリフレクタの奥から照射されます。周囲に光を散逸させることなくまっすぐ下に円錐状の光を出しますから、手元が非常に明るくなるわけです。

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上からみるとこの通り。最初、光を斜めにできないのは不完全なのでは? と思った疑問点はこの光量によって解消します。十分に強い光がきれいな円錐で投じられれば、手元に影はなくなり、机のうえに光の空間が生まれるのです。

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アームのおかげでライトを顔の近くにももってこれるわけですが、ここで冒頭のヒートシンクが活きてきます。顔の近くにライトがあっても、まったく熱くないんですね。

また、先ほどの円錐リフレクタのおかげで、光源がギラギラとまばゆいということがありません。これ、使っていてしばらくして気づくのです。そういえばこのデスクライトでまばゆい思いをしたことがないな、と。

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そんなわけで、私の書斎では夜も遅くなってくると最近はこのように部屋の電気を消し、手元のライトだけで仕事をするということをしています。

パソコンを利用しているときは画面から離れた場所をふわりと照らし、本をよんでいるときは紙面のうえに直接光をもってきて、手帳を書いている時にはアームをさげて明るさを増して使います。

Dyson 長期レビューで、使い心地をお伝えします

今回、Dysonさんのご厚意もありまして CSYS タスクライトを使わせていただき、これはたしかによいものだと思ったのですがなにせ相手は 6万9千円もする高級ライトです。レビューしてみたら良かったですというのでは、あまりに当たり前過ぎます。

これだけの製品ですから、万人向けというわけには当然いきません。そしてどんな捉え方をすれば、この製品が想定している持ち主のもとへと言葉を伝えられるのだろうか。そういったことを考えて、これは長期的に少しずつレビューして、気づいたことをお伝えするのがいいのだろうなという結論になりました。

というわけで、しばらくのあいだ、折にふれて Dyson さんを通してレビューさせていただいている製品の、直接的な、すぐにわかるスペック的な話ではなく、長期で使ってみて生活に起こる変化、本当にいうほどのものなのかについて調べていきたいと思います。

理系研究者として、Dyson というエンジニアの集団のような会社にも興味ありますので、そのあたりの取材話もぜひ盛り込んでいければと思います。

次回は CSYS タスクライトで変わる手元の風景について、写真と動画でご紹介できればと思います。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。