小さくても大きなニュース。Google Mapsのオフライン機能がロールアウト

5月の Google I/O で予告されていた Google Maps のオフライン機能がこれから順次 Android ユーザー向けにロールアウトするというニュースが、Google オフィシャルブログで告知されています。

Google Maps アプリ上のオフライン機能はこれまでも限定的にはありましたが、今回は地図を国や地域単位であらかじめダウンロードしておくことで道順案内も、レストランなどといったロケーションの開店時間などもオフラインで有効になるのが売りとなっています。

使い方は普通に場所を検索するように地名を入力し、オフラインボタンを押すことでデータが端末にダウンロードされます。デフォルトではWi-Fiを利用して行われるので、旅に出かけるなどがいいでしょう。

あとはアプリが自動的に、通信を失うとオフラインモードに移行し、通信が回復すると元に戻るようになっています。

実際に利用する際には、たとえば海外でパケットを大量に使いたくない場合に目的地の地図を予め保存しておき、Google Mapsに対するモバイルデータ通信を切っておくことで通信をせずに地図を見るといった利用の仕方も考えられます。

小さな、それでも大きなニュース

一見これは小さなニュースにみえますが、公式ブログの記事の冒頭にもあるように、地球上の60%は通信ができない場所です(たぶん陸上の60%という意味ですので、実際には全球の40%くらいでしょうか)。

そしてもはや都会ではGoogle Mapなしに効率的に移動することが考えられないくらいですし、ストリートビューによってあらかじめ場所を調べることがすっかり定着してしまったことからもわかるように、Google Map が存在する場所と、しない場所では空間把握のされ方がまったく違うのです。

それがある程度軽減するというのは、僻地で歩くこと、旅行にでること、ある場所に立っているそのことの意味も変えうる可能性があります。通信のない場所にいながらにして場所のコンテキストを知ることができるわけですからね。

Androidでもまだ少しずつだということですし、iOS では今後アップデートが行われるそうですので楽しみに待ちたいと思います。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。