「手帳で楽しむスケッチイラスト」は手帳好きのツボを良く理解した好著

手帳にちょっとイラストを加えて、色を添えればとても楽しくなるだろうとは思っていても、どこから始めればいいのか、自信がないという人におすすめの本が登場しました。

「手帳で楽しむスケッチイラスト」は手帳を楽しんでいる多くの使い手の実例と、誰でもすぐに実践できるテクニックをほどよいバランスでとりこんだ、実に「よくわかっている」本です。

イラスト、写真、スタンプ、付箋、シールを使ったカスタマイズから本格的な水彩やペン画を使った手帳の使い方まで、ここにはすべてがつまっています。### 多彩なゲストに、実践的なテクニック

まず驚くのが、フルカラーの本の実に多くのページを割いて、さまざまなタッチのスケッチやイラストを楽しむゲストが参加されている点です。まさに豪華キャスト!

Sketch2

デジタル彩色が独特で不思議な浮遊感のあるヨシムラマリさん。

Sketch3

モレスキン・コミュニティでは必ず名前があがるげんさんのイラスト。特に人物練習帳のインパクトにやられます。

余談ですが、げんさんのページで自分の名前が突然出てきてうれしいやら文字をつかわせてしまって申し訳ないやら。紹介感謝です!

Sketch4

イラストレーターでモレスキン使いの間で有名なChaiさん。旅日記の魅力と、色彩ゆたかなイラストの可愛らしさで、みるたびに私の心を慰めてくれます。

Sketch5

そしてもちろんこの方、ハヤテノコウジ師匠。手帳のページをフレームに見立てて、一つの美術館を作り上げてしまう世界観にいつも圧倒されます。

このほかにも大勢の達人が登場しますし、全員が4ページを利用してイラストの例からふだん使っている文具、描くときのコツまで紹介してくれる内容の濃さです。

今日から使えるテクニックのページも

これだけだと、イラストが上手な人のページをみて自分は…と溜息をついてしまうかもしれませんが、この本のバランスがとれているのはすぐに使えるテクニックもかなりのページを割いて解説しているところです。

Sketch6

たとえば、ちょっとした生活のイベントをイラストで表現するときの描く順番と彩色を解説しているページ。

もちろんこれだけであらゆるイベントをイラスト化できるわけではないのですが、一度なぞってみると「なるほどピクトグラムの要点はここか」と理解できますので、他のものも描いてみるヒントが得られます。

Sketch7

または、102項目にわかれた手帳を使う際のテクニックやヒント。これもひとことずつなのですが、これまでさまざまな場所で紹介されたテクニックや流行を網羅していてお買い得です。

Sketch8

最後には、手帳の選び方、文具の種類などを解説したページも。ここも、ちゃんと手描きイラストをつかうところが「わかっている」感じがして素晴らしい。

この4章は Chai さんのイラストで構成されているのですが、やはりよく理解した人が自分の大好きなものについてイラストを描いているときの、絵に力がこもったところはいつ見てもいいものですね。

「手帳で楽しむスケッチイラスト」は多数の達人のゲストに、きっと本当にこのテーマを好きな編集者が出会った、とても幸運な本だという印象があります。

全幅の信頼とともに、すべての手帳好きの人におすすめすることができる一冊です。手帳を楽しんでいるひとなら、ぜひ!

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堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。