得か?損か?あたらしいEvernoteのプランで何が変わったのか
Evernoteはもともと無料で利用できるサービスです。しかし使えば使うほどEvernoteの価値は高まり、有料のEvernoteプレミアムが魅力となってくるという理想的なフリーミアムモデルのビジネスをしていました。
そのEvernoteが、初めてとなる価格改定を行いました。Evernoteプレミアムの下に、より安いEvernoteプラスというプランが提供されるようになったのです。
それにともない、一部の無料機能が有料に移行し、プレミアム機能もプラスとの間で振り分けられています。
その全容と、はたしてこれがユーザーにとって得なことなのか?みていきましょう。### 新しいEvernote「プラス」と「プレミアム」
今回の価格改定は、日本においてはEvernoteプレミアムの価格を据え置きにして、その下に月額240円、年額2000円の「プラス」プランを設定することを軸にしています。
アメリカだと、プレミアムが少し高額(年額$49.99, いまのレートで6000円ほど)なっていますので、各国の事情を鑑みて設定がされているわけです。
この「Evernoteプラス」はさまざまな面で従来の「Evernoteプレミアム」に似ています。アップロード容量制限が1GBであるところ、オフラインノートが使用できる、メールを直接Evernoteに保存できる(ヘルプによれば200通/日)などです。
しかし「プラス」にはOffice文書等のファイル内検索、ノートの履歴、関連ノートの表示、プレゼンテーションモードなどといった機能は存在せず、ノートの最大サイズは50MBとなっています。
これに対して「Evernoteプレミアム」はEvernoteのすべての機能を使えるだけではなく、今回アップロード量が無制限という追加がされました。一つのノートの容量制限は200MBですので、ちょっとした書庫がつくれますね。
注意したい点
今回、無料の「Evernoteベーシック」にも変更が加えられており、メールをEvernoteで保存する機能は有料プランのみとなりました。
また、アップロード制限がないとはいえ、Evernoteのシステム上の制限であるノート数10万個、ノートブック数250個といった制限はそのままです。
どのプランを選ぶ?
さて、こうして選択肢が増えると、無料からこの際に有料プランにするか、有料プランを変更するか悩む人もいると思います。
まず無料ユーザーで、メールでノートを送信していた人は、有料プランを強制的に考慮する必要があります。
従来のプレミアムユーザーのうち、それほど容量の大きなノートを作らない人、ファイル内検索、履歴、関連ノートといった文書管理的な機能を使っていない人はEvernoteプラスにダウングレードしてもいいでしょう。こうした人は、Evernoteの利用頻度が少なく、保管庫のように使っている人といってもいいかもしれません。
しかしEvernoteを日常的に使い、情報を検索している人。つまりはEvernoteのEvernoteらしい機能を使う人はアップロード容量が無制限になったプレミアムから移行する理由はありません。
今回の価格改定は、Evernoteのビジネスモデルを改善し、収益性を高めることが目的です。
この判断に至るまでに、Evernote本部と、世界各地の支社は膨大な時間をかけてあらゆる可能性を考慮してプランを策定したときいています。
一部機能が無料ユーザーから失われたとはいえ、すでに無料でEvernoteを使っていたひとにとって、年額たった2000円で本格的なEvernote体験を始めることができるようになったのは、よいことだといえそうです。
日本においてはEvernoteプレミアムの価格が据え置きということもあって、ユーザーが失うものはほとんどない、おおむね改善のアップデートだったといっていいでしょう。
Evernoteアンバサダーですが、自分の有料会員費用は自分で払っているわたしは、今後もEvernoteプレミアムユーザーでいこうと思います。また、いくつかもっている仕事用のアカウントは、Evernoteプラスで運用することでよさそうです。
それにしても安いEvernote。みなさんはどのプランでいきますか?