スタンディングデスクを買うかわりに、20分に一度立ち上がる

長時間座ったままで仕事をしているのは、疲れるものです。

しかし近年では、長時間座ったままの姿勢でいることが長期的にみてさまざまな健康上の問題を引き起こすことが知られてきています。

骨格の問題から、筋肉の萎縮、内臓の疾患から心臓の問題まで。それが他の健康上のリスクと比べて相対的に高いかは議論の余地があるとはいえ、座って仕事をしている人の絶対数、そして連続して座っている時間の絶対量から勘案すると、影響を受けている人は有意な数にのぼるといえそうです。

こうした知見もあって、スタンディングデスクを採用する会社も増えてきていますが、なかなか導入が難しいのも事実です。

そこでなにか代わりになる方法がないかと調べてみると、本当に簡単な習慣の変化で、座り続けることの害を相殺できるという話題がありました。### 20分に一回、立ち上がるだけ

この話題が登場していたのが、Buffer ブログの “Healthiest Way to Work: Standing vs. Sitting and Everything Between” という記事です。

ここでは2012年の研究論文や、NYタイムズのコラムニストグレッチェン・レイノルズ氏の研究成果を引用して、20分に一度2分間の割合で立ち上がるだけで、他になにもしなくても座っていることによる害を回避できるという話題が紹介されています。

If you can stand up every 20 minutes - even if you do nothing else, even if you don’t move to the window - you change how your body responds physiologically.(中略)

There actually was a very interesting study that came out that showed two minutes of standing up every 20 minutes reduced people’s chances of getting diabetes by a pretty large amount.

Stand Up, Walk Around, Even Just For ‘20 Minutes’ | Fresh Air

20分に一度、たった2分立ち上がるだけでも、緊張していた筋肉はほぐれ、血流が変わり、研究によれば糖尿病や心臓疾患のリスクに変化がみられたというのです。

現実的なスタンディングデスク

さて、理想的には2分でいいので休めればいいのですが、忙しかったり、調子がいいので仕事を続けたいということもあります。

そこで立ったまま仕事ができるスタンディングデスクを導入できればいいのですが、安価なものでもなかなか場所とりだったりします。

たった2300円!IKEAの家具で自作するスタンディングデスク | Lifehacking.jp

実際、この記事で作ったスタンディングデスクを、私はいま場所が足りないので使えなくなりました。そこで、とても安上がりの代替案なのですが、ちょうどいい高さの箱を利用してちょっとの間だけキーボードとマウスを上において仕事をしています。

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私の環境では、PFUのスキャナー、SV600の箱がちょうどよくキーボードとマウスを載せられるので、最近は足元にこの箱を置いておき、20分に一度これを取り出してこのうえで仕事をすることを試しています。

見た目は変なのですが、ちょっと立ち上がってみるだけで身体がほぐれ、集中力も増す感じがあるのが気に入っています。放っておくと忘れてしまいますので、これを20-30分のタイマーをかけて、定期的に行います。

でもそれって…不自然では?

現在では座って仕事をするのが基本姿勢となっていますので、立って書き物をしたり、仕事をするのはどこか不自然に思えます。

しかし歴史的には、立ったまま仕事をすることは、それほど珍しい話でもありませんでした。歴史上の人物で立って利用するライティングビューローを利用していた人にはダ・ヴィンチ、ウィンストン・チャーチル、アーネスト・ヘミングウェイ、ヴァージニア・ウルフなどが含まれています。

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先日、ドイツとフランスに旅行をした際に、パリの街の一角でヴィクトル・ユゴーの邸宅を見学する機会がありました。

東洋趣味で飾られた居間や、上品な調度に飾られた居室の一角には、ユゴーがその文才をほとばしらせたライティング・ビューローがありました。ユゴーもまた、立って仕事をする人だったのです。

もちろん、これらの人が常に100%の時間、立って仕事をしていたとはいえませんが、常に座って仕事をしていたわけではないということは、私達がいまもっている仕事の風景を見直すきっかけになるのではないでしょうか?

机の上に、ちょっとした箱を置く場所はありますか? もしあったならキーボードをその上に置き、ディスプレイを倒して、ほんの数分でいいので立って操作をしてみてください。

両足に力がいきわたり、背筋がのびる感覚にきっと快感を覚えると思います。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。