写真を撮るならLightroom CC。正統進化する新機能がじわじわと手放せない心地よさに
写真にそれほど詳しいわけではありませんが、写真を撮影することはとても好きです。
しかし写真に手間をかける人に比べれば、私のアプローチは「できるだけ手軽に」が軸になっています。さっと撮影して、気に入らないところを数分で修正して、手軽にブログなどで共有したい。あ、それに写真管理にも時間をかけたくありません。
Appleの「写真」アプリはそれには簡単すぎるというのもあって、現在では Lightroom におちついているのですが、その最新バージョン、Lightroom CC がこのほどリリースされました。
メジャーバージョンアップにしては、革命的な新機能があるわけではないのですが、日常の手間を確実に減らしてくれる機能がじわじわと搭載されています。
きっと普通のニュースサイトが紹介するのとはずいぶん違う順序の、私なりのLightroomの新機能で嬉しい点についてまとめておきたいと思います。### 強力になったブラシ機能
ちょっとここが暗い、ちょっとここの彩度を上げたい、ちょっとこの輪郭にそって色温度を変えたい。
こうしたちょっとした編集を初心者でも数分で可能にしてくれるのがLightroomできっと私が一番使っている「グラデーション / 円形フィルター」ですが、ここに複雑な輪郭にそった編集も楽にするブラシが追加されています。
この機能を利用すると、任意の大きさのブラシで輪郭をブラシで詮索し、そこに編集を加える事ができます。
たとえばこのようにブラシで写真の右半分を塗っておき、彩度と露出を変えてみます。すると、この赤くなった部分に適用され:
右半分だけ空の色を変えることができました。これを使えば、人物の周囲だけ異なる雰囲気にしたり、不本意な光になってしまった部分を補うことができます。
HDR / パノラマ合成機能
今回のアップデートでは、これまで外部ツールに頼っていたHDRの合成や、パノラマ合成もLightroomで基本的なことができるようになっています。
HDR写真は露出の違う複数の写真を選択して、「写真 → 写真を結合」からHDRを選択します。
たとえばこちらは、去年の会津下郷の旅で撮影した写真ですが、三脚を忘れてしまったので複数の写真がかなりぶれていました。
それをLightroomは難なくかなね合わせて、ゴーストを除去して合成しています。とはいえ、Photomatixのような専用のHDR写真ツールに比べると合成時のオプションはありませんので、現像で色合いを操作するなどの必要があります。
これもツールとしていつでも使えるというのは便利ですね。
「顔」で検索する顔認識機能
今回のアップデートで、Adobeがとてもプッシュしているのが、顔認識の機能です。写真に撮影されている人物のカタログを作成し、必要に応じて顔部分を選んで名前を入力すると、その人物名で横断検索をすることができます。
これらの機能を使いこなすには、Lightroomの「コレクション」つまりは仮想アルバムの機能を知っていると利用価値がぐっと高まります。ある人物だけのコレクションを作成したり、家族が写っている写真が自動的に追加されるコレクションを作ったりといったようにです。
その他のアップデート
その他にも、Lightroom CCには、ノートPCユーザーに嬉しいパフォーマンスの改善が行われており、特に写真を現像する際に露出を変化させたときに起こっていた重い荷物を引きずるようなラグが今回は無くなっています。
Lightroom mobileとの連携も強められていて、iPhone などから追加した写真が自動でPC側にも同期されるなど、より出先での追加、編集を意識しています。Eyefiカードで撮影、すぐにLightroom mobileから追加、編集という流れもあるでしょう。
今回のLightroom CCは新規ユーザーの心を鷲掴みにするような目立ったアップデートではないものの、既存のユーザーにとってはいよいよLightroomから離れられなくなる地道さがあります。
どんどんとコストに対する価値があがってゆくCreative Cloud。そろそろ、「もうこちらでいいじゃないか」と乗り換えるユーザーがどっと増えそうなところまで来ている気がします。
(追伸)
今回の Lightroom CC のアップデート後、Lightroom が起動しないという人が大勢いました。サポートによると、一度サインアウトしてから、もう一度サインインするとこれは治るそうです。
「LightroomをCCにアップデート後、製品が起動しない」というお問い合わせを多く頂いております。この現象はCreative Cloud デスクトップアプリケーションよりサインアウト、サインインにて解消します。お試しください!→ http://t.co/WTdwEGElMl
— アドビ サポート担当 (@AdobeSupportJ) 2015, 4月 22