TwitterがGoogle検索に戻ってくる。ウェブの歴史がもう一巡
以下はさまざまな憶測や考え事をとりとめもなくまとめたものですが、ちょっと気になったので記事にしました。
2011年に終了していた、Google上でのツイッターのリアルタイム検索が戻ってくる可能性が報道されています。この目的のためだけに Yahoo の検索を利用していたという人もいると思いますので、これは朗報かと思います。でもなぜこのタイミングで?
TechCrunchの報道ではCEOの Dick Costoloが次のように述べています。
The Google search deal will essentially be used for “onboarding,” Costolo said. If a “logged out” (that is, unregistered or not logged in) user sees a tweet in a Google search and then clicks on it, that person will be delivered to a special “logged out” page, which will likely not only give him/her an option to sign up, but also deliver an ad or two (or three).
コストロによれば、Googleによる検索は「オンボーディング」つまりは登録していないか、ログアウトしているユーザーにむけてツイートを検索で見られるようにして、そこからは特別なサインアップのためのページあるいは広告付きのページに誘導することを目的にしている。
この判断にはこの四半期でツイッターの成長が鈍化していることも影響したとみられます。でももう少しみてみると、検索とコンテンツの流通がまた一巡している感があります。
結局はGoogleが必要
FirefoxとYahooの提携によってGoogleの検索におけるシェアが下がったというニュースもありますが、それでも2011年頃にささやかれていたコンテンツの流通の変化はあまり実現しなかったともいえるでしょう。
その頃は、極端な意見としてGoogleにかわってFacebook、Twitterといったソーシャルの情報の流れがGoogleの検索と肩を並べるというものもあったのですが、落ち着いてきてみると、やはりそれぞれがそれぞれの最も得意とする分野に落着いているわけです。
この間に、FacebookはInstagramを手に入れ、Pinterestが急成長し、Twitter上でも画像やVineといったコンテンツが流通して「ビジュアル・ウェブ」の流れが加速しました。そのあたりはこちらのライフハックLiveshowでも話しています。
しかし結局のところ「知らない情報」「フォローしていない人の情報」へとユーザーが手を伸ばすには、Google検索が音を伝える空気のような存在としてなかだちをしなければいけない状況は変わらず、Twitterとしても今回の決断に至ったようです。時代はここで一巡したといえるでしょう。
ということは次の数年、「検索以外の何か」「検索の先にあるなにか」が登場するかどうかに目を光らせる必要があります。
以前 Matt Cutts の動画に登場した Conversational Search という話題がありましたが、Google自体が「検索ワード」に一意に対応した「ランキングサイト」という性格から脱しようとしています。
検索ワードは、誰が、どんな状況で、どんな目的で探しているというコンテキストをより意識した、とても人工知能的な分野に進みつつあって、それに対応して知識を、情報を探す私たちの生活も変化してゆくのです。
TwitterとGoogleについてのこのニュースは、そんな時代の一巡の一里塚として記憶しておいて良いのではないか。そんな予感がします。
Lifehacking.jpでは以前このような話題にしています:
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