目標を達成するには、締め切りの「日付」が肝心?
仕事をするうえでは、さまざまな目標や、タスクを達成してゆく必要があります。達成するには、そもそも、まずそれを始めなくてはいけません。アクションを起こさないといけないのですね。
ここでよく設定されるのが「締め切り」ですが、この締め切りの設定の仕方について面白い話題があります。
あまり締め切りが遠いと、「まだ始めなくてもいいや」と先送りの心理がしのびこんでしまいますが、どんな日付なら、よりアクションを起こして、目標を達成しやすくなるのでしょうか?
これを科学的アプローチで実験してみたという人たちがいます。### タスクが「今のこと」っぽいか「先のこと」っぽいか
トロント大学・マネージメント校の研究者らは、295人のインドの農家に対して貯蓄を行なうというテーマで次のような実験を行いました。
被験者は二つのグループに分けられ、次の6ヶ月で毎日貯金をおこなってある目標金額を貯蓄するという課題を与えられます。このとき、第1のグループは6月に開始して12月を期限とします。もう第2のグループは7月に開始して、1月を期限とします。
たった1ヶ月の差ですが、結果は第1のグループのほうが目標を達成する率が有意に高くなりました。
なぜかというと、第2のグループは期限が年をまたいでいるために、与えられた課題が「今起こっている」ことというよりも「未来のこと」として受け止められていたために、先送りが生じてしまったのだそうです。
同じことは年だけでなく、月にもいえます。
締め切りがその月の最後にあるのと、次の月のはじめにあるのとでは、とりかかるときのアクションを起こす確率が違うのです。つまりよりアクションを起こす可能性を高めたいなら、月ごとに目標をタイムボックスさせてゆくほうがよいわけですね。
これはやる気の問題や、どのくらいその人の克己心が強いかといったことを飛び越えて、人間の時間感覚が自らが作ったカレンダーという枠組みに縛られてしまうという現実を浮き彫りにした研究であるといえそうです。
同様のことは、週にも、一日にもいえるでしょう。一日の目標を午前中に行なうようにしたほうが、「今日中にしよう」とかんがえるよりも達成率が高くなるわけです。
締め切りを工夫するだけで、無意識に自分を変えることができるのですから、これは活用して損のないテクニックといえそうです。
How to trick your brain into meeting your deadlines | Canadian Business