Dropbox全盛のいまだからこそ比較したいクラウド・ストレージの容量と価格
MicrosoftがオンラインストレージOneDrive(旧SkyDrive)の料金体系を変更して、7月からは無料ストレージの上限を15GBに引き上げるという発表がありました。Office 365利用者には1TBの利用が可能という太っ腹な情報もあります。
ここで「おや?」と思ったのは、さまざまなサービスのバックエンドとして強固な地位を固めた Dropboxがいまも強いものの、価格的には割高で魅力が削がれてきているという点です。
Apple が発表した iCloud Drive をここに投げ込むと、Dropbox がもっているパソコン同士、あるいはパソコンとモバイル端末を結ぶストレージとしての地位も揺らいでいる可能性があります。
というわけで、主要なプランの無料ストレージ、価格帯などをまとめてみて、予定されている iCloud Drive とも比較して今後の流れを予想してみましょう。
(追記:2014, 8/27にDropboxが価格改定を行い、1TBを$9.99で提供するようになりました。これで値段的にはGoogle Driveとおなじになったことになります。その点を読み替えつつご判断ください)
各サービスの容量、プランなど
ここでは Dropbox、Google Drive、OneDriveの2014年7月からの価格、box、そして予定されているiCloud Driveの情報をまとめてみます。
boxについては個人用のPersonalと1名からのチームで使えるStarterプランがありますが、Personalはファイル履歴が使えない、割高といった面がありますのでStarterでまとめてあります。料金は全て毎月となっていますので、年間割引があることも念頭に数字を読んでください。
Dropbox Google Drive OneDrive box iCloud Drive
無料分 2GB 15GB 15GB 10GB 5GB
無料分増量可 16-32GB × 5-8GB × ?
有料プラン 100GB/$10 100GB/$2 100GB/$2 100GB/$5 20GB/$1, 200GB/$4
対応OS Win, Mac, iOS, Android, Linux, Kindle Win, Mac, iOS, Android Win, Mac, iOS, Android Win, Mac, iOS, Android Win, Mac, iOS
「増量可」というのは友人を誘うなどして、無料分を増やせるかという項目ですが、これも最近ではなかなか面倒ですよね。
100GBを単位にみてゆくと、Dropbox の料金が突出していることがわかります。無料分が2GBというのも他と比べて少なくなっています。
こうしてみるとGoogle Drive と OneDrive の100GB/$2/月という値段は非常に魅力的ですし、iCloud Driveはさらに魅力的です。
もちろんクラウド・ストレージは容量だけでは語ることができません。動機のスピード、共有が簡単にできるかも重要なポイントです。この点についても、Dropbox は相変わらず信頼性が高いですが、一方で最初の頃非常に不安定だったGoogle Driveも最近ではとても安定していてスピードが速いという印象をもっています。
逆にDropboxはLinuxとKindleで使うという積極的な理由がなければできるだけ容量を抑えたほうがよいという動機付けをユーザーに与えてしまっている点も見逃せません。
結論。次のステージに注目
というわけで、この様子をみていると現時点では Dropbox を無料分にまで利用を制限し(増量分32GBをマックスまでもっていることが前提ですが…)、Google Drive も活用しつつiCloud Driveを待とうかということになります。
複数サービスを使い、個人的なファイルはOneDrive、他人と共有するものだけDropbox、Gmailに添付するものはGoogle Driveといった使い分けをすることもできるでしょう。
iCloud Driveがどのような可能性をもっているのか、信頼性が高いのか、iOSとどのように融合してゆくのかなども気になる点です。みたところ、Dropboxの容量と、Google Driveのようなファイル添付などに使える利便性を兼ね備えているようにみえます。しかし悪名高かったiDiskでひどい目にあったことがある人は、クラウド技術に関してAppleをまだまだ信頼できないという人もいるでしょう。
また、この数字をみてDropboxが手を打ってくる可能性は高いといえますので、彼らの今後の発表も注目する必要があります。
いったん落ち着いていたクラウド・ストレージ界隈ですが、次のステージでは、さらにOS / アプリと融合してゆくサービスとしてまた変化が進むのでしょう。
Dropbox が全盛だからこそ、「次」に目を配っておくタイミングなのかもしれません。
p.s.
上記の表はざっとみてまとめているものですので、もし間違いなどありましたらご指摘いただけると幸いです。表まとめ大変だ。