「ピークiPad」がささやかれる中で魅力が増してきたKindle Fire HDX
Eye-Fi 社長、田中さんのご厚意で使用させていただいている Kindle Fire HDX ですが、すっかり iPad mini を置き換えてしまう勢いです。
次の日の準備のためにバッグの中を整理していると、「明日はイベントがあるから往復◯時間の移動があるな…」と思った時点で手を伸ばしているのはiPad miniのほうではなくて、Kindle Fire HDXの方になるのです。
これはどうしてなのか?と考えてみると、似たようなタブレットでいて、まったく違う、AppleとKindleの使いかたの違いに帰着することがみえてきました。
そして海外でささやかれる「Peak iPad」の噂とあわせて考えると、タブレットの未来はまだまだおもしろいといえるのです。
アプリを使うiPad、コンテンツを消費するKindle
もちろん Kindle にもアプリストアがあり、FacebookやTwitterなど、ある程度のアプリを入れて楽しむことは可能です。
しかしホームボタンを押せばすぐにアプリがタイル上に並んだホーム画面に移動するiPadに比べて、Kindleは「本」「Eye-Fi」といったコンテンツを楽しむ場所を開いている時間が長くなる印象があります。
設定次第の部分も、使い方次第の部分もあることを重々承知のうえで、あえて単純化して言ってしまうと、**iPad は「メール、SNSなどのアプリに加えてKindleアプリも使える」という構造に、Kindle Fire HDXはあくまで「Kindle がメインで、たまに別のアプリの使える」**という体感です。
バッグでパソコンを持ち歩いている場合が特に顕著ですが、ここにiPad miniを入れるのは用途がかぶってしまうのですね。それならば、とりだしてすぐにコンテンツを楽しめるKindle Fire HDXの方が持ち歩いていて楽しいわけです。
あくまで印象の違いにみえますが、これが App Store に誘導したい Apple と本などのコンテンツを買ってもらいたいAmazon の立ち位置の違いからきているのは言うまでもありません。
その場で本が買える危険なまでの誘惑
もう一つ便利なのは、もちろん Kindle は Amazon アカウントに紐付けられていますのでタップ一つで本などを購入してすぐに楽しめるという点です。
これが iOS だと、App Store との競合を避けるために Kindle 本は直接購入できない仕様になっています。ちょっとの手間ですが、これは大きい。
実際、Kindle Fire HDX を開いて一週間でかなりの数の本と漫画を購入してしまい、あわてて自分に歯止めをかけなくてはいけませんでした。
AppleとAmazonの未来、そしてタブレットという代理戦争
こうしてみると、App store による囲い込みによって、iOS のエコシステムの重力圏に留めたいと考えているApple。そしてあくまでコンテンツの流通に主眼をおいているAmazonの未来へのビジョンが、タブレットのユーザー・エクスペリエンスという形で発露しているといえるでしょう。
いまは一見 iOS とアプリの世界が席巻しているようにみえます。しかしiPhone 6では大画面化もささやかれているなか、iPhoneでアプリ的な用途がすべてまかなえるようになると今度はiPadがiPhoneによってcannibalize、つまりは食われてしまう要素もあります。
そうなれば、Kindle Fire HDX の相対的魅力はさらに高まるわけで、タブレットの世界もまだまだ落ち着かない様子です。
海外では iPad は需要のピーク、Peak iPad、を迎えたのではないか? という話題もあります。ただし、これは iPad がその製品のポテンシャル以上に売れすぎた影響ではないかという評論もあり、世界においてタブレットがどういうおポジションにおちつくのかはまだ流れを見定める必要がありそうです。
5/31まで割引期間が延長!
さて、先日、4/25 までと紹介していた Kindle Fire HDX の割引期間が、5/31 まで延長されています。
16GBは19800円と安いですが、機能的に制限があるために32/64GBに限って考えたとしても、24800円、28800円となっています。この速度、323ppiの美しい液晶、そしてEye-Fi mobiを使った際の写真のバックアップストレージと考えたら、安いといえるのでは? 実際、うちの家内のために2台目の導入も検討しているところです。
いまいち iPad の使いどころがない人、コンテンツ専用のセカンド・タブレットを考えている人。ぜひ候補に加えてみてください。