Evernoteのユーザー総数が1億人を突破

Evernote本家ブログで、ユーザーの総数が1億人を突破したとCEOのPhil Libin本人によって報告されています。おめでとうございます!

1億人というとなかなかスケールとしてわかりにくいと思います。日本の人口がざっと1億人といっても、やはりイメージしづらいでしょう。

いままでに最も人が大勢いた風景、たとえばそれは東京ドームいっぱいの人であったり、ラッシュ時の主要駅構内であったりするかもしれませんが、それとてだいたい「万」のオーダーです。億は1万の1万倍ですから、そのとほうもない数の人がさらに世界中に1万箇所いるというスケールです。

それでも、と Phil は付け加えます。世界には71億人の人がいるのだから、これは小さな一歩に過ぎない。あと70億人残っているのだと。### Evernoteのビジョン

Phil はEvernoteが持ち続けている単純なビジョンについても言及しています。それはデジタルなものに囲まれつつある世界において生活と生産性の意味を変えてゆこうというEvernoteの存在意義です。

We set out to redefine the meaning of productivity for modern busy people. We want Evernote to become your workspace; the place where you do all of the everyday things that keep your life moving forward.

私たちは現代の忙しい人々のために、生産性というものの意味を再定義しようと思う。私たちはEvernoteが仕事場そのものになることを願っている。毎日、自分の人生を前に進めるために一日中利用できる場所だ。

Evernoteは単にデータを自動的に放り込んでおく場所ではありません。それはこれまで不可能だったレベルにまで記憶を拡張することで、仕事を、生活のちょっとしたタスクを楽にできます。

また、Evernoteはすでにデジタルだけではなくて、手元の物理的な情報の扱い方にも変化を常に引き起こしています。Evernote Market などは、クラウドだけではすまないEvernoteのフィジカルな側面でもあるわけですね。

すでにたった一日で満員となってしまった 5/27 のイベントでもそのあたりに触れたいと思います。

Evernoteを使っている人々

Phil はもう一つ、興味深いデータを提供しています。それはこの1億人のユーザーの場所の分布です。

Evernote users

3500万人がアジア、3100万人が欧州・中東・アフリカ、そして2700万人がUSとカナダです。これをみていると、Evernoteはまだまだ南米に広がる余地を残していますし、この分だと中国とインドにも大きな可能性を残してそうにみえます。

先日きいた面白い統計に、Facebookのユーザーの8割はすでにUS・カナダの人ではないというものがあります。つまりアメリカで多少Facebookが落ち込んだとしても何の問題もなく、ある場所の風向きの変化は別の場所で相殺できる成長路線にすでにのっているのだと。

Evernoteもだいぶこれに近づいてきているように思えます。

まだまだ、この旅は始まったばかりです。ウェブの未来、デバイスの未来とともに、Evernoteは進化してゆくでしょう。

でも使いこなさなければと焦ったり、曲芸のような情報の詰め込み方をしなくても問題ありません。ふだん出会う情報をちょっと入れ続けるだけで、この旅の先は、おのずと見えてくるのです。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。