ブロガーに新鮮なネタを振るiWireとその活用法
いつもお世話になっているAMNと電通の共同事業として、ブロガー向けのニュースリリースを行なうiWire(インフルエンサー・ワイヤー)が始まっています。私は外部編集委員ということで、電通のネタ振りにいろいろとツッコミをいれる立場(多分…)で参加しています。
Wireというのは、電信時代の名残の言葉で、send a wireで電報を打つ、on the wireで電話に出ていると言った意味があります。転じて、最速の情報を送る回線という意味合いがあるわけですね。
しかしブロガー向けのワイヤー、と言われてもなんだかわかったようなわからないようなところがあると思います。私自身よくわからない部分が残っているくらいです。
というわけで先日iWireの説明会が開催されましたので、現時点でこれがどのようなサービスで、どんな活用法があるのか自分なりにまとめておきます。### ブロガー向けのニュースレター
iWireの説明を読むと「インフルエンサーワイヤーは、旬な企業情報を中心に、クチコミ分析の技術を活用し世の中の「話題」を立体的に捉えたレポートをお届けするニューズレターです」とまとめてあります。
通常のリリースは広告を依頼している会社が広めたい製品や出来事などについて書いてあるだけで、基本的にリリースそのものがニュースです。速度と正確さが命です。
しかしiWireのリリースは、ブロガー向けに編集がほどこされていて少し毛色が違います。むしろリリースと関係ない話も盛り込まれていて、どこをどう切り取るのも自由ですし、iWire登録者はそもそも記事を書く義務やノルマもありません。通常のリリースっぽい立て付けでありながら、もっと予想外の展開を誘っているというわけです。
なので速度が命という側面も多少あるのですが、むしろ味付けが命という変なニュースレターになっています。予想外の反応を待っているという、リリースらしくないリリースといってもよいでしょう。
企業とブロガーの距離を縮める
説明会で例として挙げられたニュースレターは携帯電話、いわゆる「ガラケー」のリリースに、ガラケーの買い替え事情という話題を組み合わせたものでした。製品だけでなく、買い替えの背景にどんな話題や事情があるかというネタが加わっていますので、多少ネタの間口が広まっているわけです。
こうしたリリースに加え、iWire ではブロガー向け記者会見や先行体験会、企業とのQ&Aの道筋なども設定するとしています。つまりはこういうことなのかと思います:
これまでニュースリリースといっても、どうせ大手ニュースメディアが先に扱うもの、ブロガー向けのものはなかなかありませんでした。
逆にそれは、ニュースのネタ元である企業側の「通常のメディア意外にブロガーに興味をもってもらうにはどうすればいいのかわからない」というジレンマでもあったわけです。iWireはここを埋めることで、両者の距離感を近づけることを目的としているといってよいでしょう。
これは試みにすぎませんので不発に終わる可能性だってあるのですが、うまくいけばブロガー向けのホットラインを企業との間に生まれる可能性もあります。一面的なリリースではない、多様な情報の受け取り方と発信の仕方を胚胎した新しいニュースリリースのあり方として、世界的にも珍しいのではないかと思います。
新しいことに、面白いものをかけあわせる
さて、iWireはどのように活用すればいいのでしょうか?
一つ目に、まったく活用しなくてもよいという考え方もあります。登録だけしておいて情報を受け取り、ニュースレターを読むだけでも、ひとまずちょっと変わった情報のチャンネルが増えますので、損はないかというレベルの使用法です。
もちろん積極的につかうこともできます。ニュースレターは企業がそれなりに市場を調査して放っているものですから、なにかしら乗ることのできる話題が含まれているはずです。リリースそのものを拾って興味があれば記事にしてもいいですし、あえてネタの部分を扱うということもできます。
あえて裏技的な使い方をすることもできます。ニュースレターで書かれていることの背景や、製品やサービスの盲点に切り込んでみる、実にブロガーらしい個性的な切り取り方ですね。むしろここが狙いといっても過言ではないでしょう。
まとめ
私は他のブロガーのかたとともに外部編集委員という立場になっているのですが、実際のところ何をしているのかというと電通さんが編集するニュースレターにツッコミをいれる役回りです。「そのネタは反応しづらい…」「こういう資料追加できません?」といった意見提案ですね。
でもしょせん外部編集員も、たった4、5名に過ぎません。もっと面白い視点、想像してなかった切り口が登録されているブロガーから出てきやすくなるように邪魔をしないのと、上の図の距離感を意識するのが大事かと思っています。
すこし異色の取り組みですが、ブロガーのかた、リリースを元に情報発信をしてみたいという方はぜひ登録してみてください。