人生をテレビゲームだと考えると、ルールブックはこうなる

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実に当たり前のことなのですが、わかりやすい形にパッケージングするとすんなり入ってくることがあります。

人生をどう生きるかという問題も、さまざまな思想や心情や環境を考慮すると難しく考えがちになりますが、たとえばそれがビデオゲームだったらどうなるでしょうか?

Oliver Emberton のブログで、可愛いグラフィック付きのそうしたエッセイが公開されていて、読んでいて気持ちが楽になります。

そしてけっこう実践的でもあるのですよ? さっそくみてみましょう。### ゲームの基本

「人生」というゲームにはダンスや、スポーツといったミニゲームもあるけれども、本質的にはそれは**「戦略ゲーム」**だと著者はいいます。

戦略ゲームは有限のリソースをどのように投下するかによって結果がかわりますが、「人生」のゲームでは「時間」を何に投下するかで結果がかわります。

子供時代から大人時代へ

子供時代というのは、ゲームでいうならプレイヤーキャラクターを選択している画面のことです。たいていのゲームでは最初にある程度の選択肢がありますが、なんでも選べるわけではありません。子供時代も選べないから同じですね。

大人になると、最大の優先事は「何に時間を使うか」となります。ただここで、この記事の最大の魅力である記述が登場します。

「人生」ゲームの多くのプレイヤーは、「ジムに行こう」という操作を選択しようとしてキャラクターが言うとおりに動かないことに気づくだろう。

これはバグではない。プレイヤーには「状態」というのがあって、直接見ることはできないもののおおまかにいって「健康」「エネルギー」「意志の力」という3つのバランスでできている。

キャラクターの状態がどれか一つでもとぼしい状態になっていると、キャラクターの行動は思い通りにならなくなる。

思い通りにキャラクターを動かすには、この状態を常に高く保たなくてはいけないわけです。ゲームでもHPやMPのどちらかが欠乏すると「これは無理だ」となって退却しますよね。あれと同じです。

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記事の著者はいくつか「状態」を高く保つためにアドバイスをしています。

  1. 状態は常に高い状態で維持すべき:お腹がすいていたり、疲れていたり、楽しみがないと、意志の力は挫かれてしまう。適度に保つことをしよう。

  2. 一日の意志の力は有限で、午後から夜になるにつれて少なくなるので、大きすぎる仕事を一度にキャラクターに課さないようにしよう

  3. 最も大事なミッションを先にする。そうしないとプレイが先に進まない。

  4. 選択肢を減らして、意志力を行使しなくてはいけない回数を減らすこと

有益にこれらのリソースを管理できた人はスキルをためてレベルを上げたり、より良い「人生」をプレイすることができます。

これ以外にも、元記事ではプレイヤーの選択する職種が「転職」できない可能性があることや、お金というリソースの管理、人生のステージにあわせたプレイスタイルの変更などといった話題が登場します。

「境界条件」という簡単なとらえかた

これを読んでいると「実際の人生もこれほど簡単なら…」と溜息をつきたくなるかもしれません。

でも実際も、これほど簡単にとらえてよい面もあるのです。それを私は**「境界条件を定める」**とよく言いならわしています。

たとえば子供を育てるのはとても複雑で難しいことのようですが、ルールとして「必ず週末はいっしょに楽しめることをしよう」「子供の将来のために定常的にこれだけ貯金する」といったものを定めることで、やるかやらないかという選択肢を減らす考え方はよく実行します。

優先順位が高ければ高いほど、この思考は便利です。夜にブログを書きたい? でも赤ちゃんが泣いていて相手をする必要があれば、「残念、また今度ね」というルールが私にはあります。

そこは曲げなければ、たまたま子供の体調がわるいときなどに「本当は◯◯をしたかったのに」と必要以上に残念がることはありません。いや、残念なのですけど、それは赤信号を無理にわたってはいけないくらいに、しょうがないことなのです。

でもそこで間違った道を選ばないようにしていれば、ものごとはわりあい簡単に、あるべき場所におさまってゆくのです。

元記事はコミカルな画像とともに若い日々からパートナー選び、老年の過ごし方までマニュアルは続いていきますので、ぜひ読んでみてください。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。