100万人のダイエットの情報をクラウドソーシングする Quantified Diet プロジェクト
てきとうな名詞のあとに「ダイエット」を付け加えても案外本当にありそうなほど、さまざまなダイエット方法が世界にはあります。
日本だけでもこれだけあるわけですから、世界にはさらに多くの科学的に根拠のあるダイエットから、心理的に実行しやすいものまで、バリエーションがあります。
ここで当然、「どのダイエット法が効果的なのか?」という疑問がわきあがってきます。そこで、クラウドソーシング的な手法でこれを実際に追試する Quantified Diet プロジェクトが立ち上がっていて、来年1月1日からのプロジェクト立ち上げにむけて参加者を募っています。
主催するのは、習慣計測サービスの代表格、我らが Lift です。### 10種類のダイエットを定量化する
このプロジェクトに参加する人は、簡単なアンケートに答え、Lift を使ってダイエットの習慣を 1 月 1 日から4週間だけ行います。
結果についても送信すると、主催側はそれを当然ながら個人情報をわからなくした上で無作為抽出で統計処理を行うことでそれぞれのダイエット法の効率や、実践の度合いを定量化します。
今回参加者が選んで実践するのは次の10通りのダイエット法です。
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Paleo: 「原始人みたいな」食生活、野菜、肉、ナッツ類のみ(Paleohacks、Nerd Fitnessで詳細が解説されています…って、なんだこのあやしさ(笑)
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Slow-Carb: 欧米で大人気のいわゆる炭水化物抜きダイエット
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Vegetarian: 野菜あり、肉抜き。チーズ、卵は任意で(No Meat Athlete)
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Whole foods: 自然食品主体。なるべく加工食品を避ける(Summer Tomato)
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Gluten-free: グルテンなし、つまりは小麦系の食品を避けるダイエット法
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No sweets: 甘いものを食べないという簡単な方法。インシュリン・スイング、つまりは甘いものの摂取を避ける事による気分の変化を伴います。
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DASH: USDA、すなわちアメリカ合衆国農務省推奨の食事方法
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Calorie counting: 古典的なカロリー計測ダイエット
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Sleep more: もっと睡眠をとるだけのダイエット法。科学的には一応効果があるとされている(参考:Swan Sleep Solutions)
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Mindful eating: マインドフルネス認知療法的な考え方で、満腹感を意識するようにする(参考:ZenHabits and the Center for Mindful Eating)
なんだかいくつかの手法は少し怪しい感じもするのですが、大きく分けると「摂食型」のダイエットと、「選食型」のダイエットの2種類があります。
参加者は自分の選んだものを実践してもよいですし、ランダムに指定されたものを実践してみてもよいことになっています。「ダイエット法をランダムに選んでもらう?」と驚かれるかもしれませんが、意識的に選ぶよりもきっかけを与えられて始められるのでこちらを選択する人も多いのだそう。
集計されたデータはいくつかの軸にそって分析されます。たとえば、あるダイエット方法は他のものよりも楽かどうか? 体重の変化が顕著なものは? 実践していて楽しい物は? 性別・年齢・人種によって違いはあるか? そしてそれぞれのダイエット法について最適に進めるコツはあるのか? などです。
一人や二人の実践ではなく、一万人単位の実践によってデータとしてダイエット法を分析するというのは、なかなかない試みだと思います。
また、これだと科学的に厳密というには程遠い部分もあるのですが、逆にその曖昧さが価値をもっているともいえそうです。科学的に厳密に制御するよりも、実際の人々の生活の中での実感を集計するほうが、この場合は有益かもしれないからです。
実践期間中、参加者は Lift アプリを利用して記録をおこない、壁にぶつかったらそれぞれのダイエットについて Lift 内でアドバイスをもらうことができます。なによりも、参加者の健康をよい方向に向けることが目的の一つだからです。
開始は新年から。興味のあるかたはプロジェクトのサイトをチェックしてみてください。