普通の人の普通の努力。堀江貴文「ゼロ」出版記念ブロガーイベントで、堀江さんの「普通」の威力にふれる
ゼロからイチへ。誰もが自分の力で踏み出さないといけません。でもどうやって?
そんなテーマで書かれた堀江貴文「ゼロ」出版記念・ブロガーミーティングに、ダイヤモンド社からご招待いただき参加しました。
堀江さんといえば大学入学の年が同じで「同時代の人」と感じる一方で、風雲児と呼ぶにふさわしいその半生からは見えにくい「実際の人柄」はどのような人なのか気になっていました。
今回は小さな会議室で行われた30人ほどのこじんまりとした会だったので、質疑応答の時間も一問一答というよりもこちらから対話できるリラックスした雰囲気でした。
「ゼロ」はどんな本なのか? そしてそれに向けた堀江さんと制作スタッフの思いとはどんなものなのか? それを最前列で耳にすることができました。### そもそも、なぜ「100万部」なのか?
「ゼロ」は堀江さんの出所後初の書きおろしということもあって所信表明のような側面をもちつつも、同時に、これまで大きくすれ違ってきた人々との関係を取り戻したいという強い気持ちで書かれたそうです。
また、本書は最初から「100万部を目指そう」というミリオンセラープロジェクトが動いていて、本の製作過程、マーケティングの様子をすべて公開するという手法をとっているのも特徴です。
その一環ですでに Cakes に 0 章が公開されていたり、製作過程の動画やプロモーションビデオが公開されていて、本に先行しています。
このイベントに出席するにあたって私には二つ疑問がありました。最初の疑問は**「なぜ100万部プロジェクトなのか?」**という点です。
普通なら結果的に100万部を目指すのであって、最初からその数字を出すことはしません。意地悪な人なら「そんなにお金儲けがしたいのか?」とヤジをとばすかもしれないところです。
この疑問への答えは実に堀江さんらしい、スケールの大きな考え方からきています。
100万人に届けることでそれだけ多くの人に理解してもらえるはずであるのと、「ゼロからイチへの踏み出し方」という本書のテーマが多くの人に伝わることで一歩前に踏み出しやすい社会ができるのではないかという、社会の底上げという視点です。
するとそれが2つ目の疑問そのものにつながります。**「いまゼロで足踏みしていて、勇気がだせない、踏み出せないと悩んでいる人はどうすればいいのだろう?」**という点です。
質疑応答の時間にこの質問をぶつけてみたところ、こんな個性的な返事が返ってきました。
たとえば学校で自転車に乗れないと、どこか「はずかしい」という気持ちが生じて頑張って乗れるように練習してしまうはずです。自転車に乗れなければいけないということは決してないのだけど、本人の自発性が引き出されるわけです。そのような場所に身を置くとよいのではないか?
編集者の加藤さんからも、本書は社会を「そのような場所」にすることで行動しやすい、勇気を出して最初の一歩を踏み出しやすい場にするためのキャズムを越えることを目指しているのだという説明をいただきました。
普通の人の普通の努力
今回のイベントで「ゼロ」のゲラもいただき、ざっと読み通すことができました。内容は本の発売まで控えておくとして、イベントで目の当たりにした堀江さんの印象、そして私がゲラから感じたのは「とても素直に語ろうとしている」という点でした。
なにか革命的なことを始めようとしているわけではなく、奇をてらうところもなく、淡々と当たり前の努力を当たり前に積むところから何かが始まるというメッセージが伝わってきます。
誤解をおそれずに書くと、堀江さんが普通の人であることがわかると同時に、普通の人だからこそ努力できるところは努力し尽くすところにパワーの源があるのだなとあらためて感じました。いっそ天才か超人であってもらえれば真似できなくとも言い訳がたつのですが(笑)。
「自分は何ももっていない」と最初は思い込みがちな場所から一歩前に進み、はたらくことの意味を見いだすまでのゼロからイチのプロセスは、他の誰の人生の物語であっても不思議がないくらいありふれた話です。
それが堀江さん自身の人生に重ねあわせて提示されるとき、読む側には少し意外な発見があります。「あれ? これって自分のことではないのか?」という錯覚に近いものです。
それだけ近くに立って、フレンドリーに、素直に語る堀江さんの本というだけでちょっと興味がわいてこないでしょうか?
というわけで発売は11月初旬ですので、お楽しみに!
ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していくposted with amazlet at 13.10.22堀江 貴文
ダイヤモンド社
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