ソーシャル + タスク管理 = 新しくなった「Flow」タスク管理プラットフォーム

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一人でタスク管理をおこなっている場合と、複数の人で行っている場合とでは話はまるで違います。

タスクは誰か固定した人に割り当てないといけませんし、割り当てられた人はそれに対して「これってこういうこと?」などと確認を行ったり相談をしないといけません。会話をしたり、資料を回覧したり、進捗を確認することも必要です。

しかも同時に、全てのタスクがすべての人に見えているのではノイズが多すぎます。適切なグループを作って、関係する人にだけタスクが可視化されるように交通整理をしないといけません。

ソーシャルな機能に、高機能なタスク管理を結びつけること。これが新しくなった Flow の目指している場所です。### グループ機能が大幅に進化した新しい Flow

最初にFlowを紹介してからもう2年になりますが、最初は日本語を入力した際のバグが目立つ、iOSアプリとの同期の信頼性が低いなど、荒削りな部分がありました。ちまちまとバグ報告をしていたのを思い出します。

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新しくなった Flow は、特にグループで粒度の細かい作業を進めなければいけない場合に必要な機能を強化してきました。

たとえば気軽に作ることができるタスクのリストは、プロジェクト内でいま集中したいサブ・プロジェクトごとに作っては捨て、ということができます。タスクはリスト表示している際にも常に誰にそのタスクが割り当てられているかが表示されており、Flow がグループを意識していることをよく表しています。

また、開発・経理・営業などといったように、大きなグループごとに Flow 全体を分割して別々のワークスペースを持つことも可能になっています。

これは非常に大きくて、たいていのタスク管理システムというのはこれができないために、結局最も上の部分でフォルダ分けをしなければいけないために結局タスクを整理できていないことがよくあるのです。

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タスクという、最も細かい単位に至るまでコメント欄が個別についているというのも Flow の特徴です。よくタスク一覧の横にチャットがついているものならあるのですが、それでは全員がよけいな会話をみてしまいます。

Flow の場合、タスクを作った時点で「AさんとBさんを呼んでおこう」と割り当てを行い、タスクの中で彼らと相談し、必要があれば他にも人を呼び、物事を決めてゆくことができるのです。

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タスクには、どのリストに加えるか、繰り返しがあるのかどうか、割り当てられた人、関連する人、などとともにタグも設定できます。およそタスクの整理に必要な軸はほとんど揃っているといっていいでしょう。

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ユーザー側は Flow にログインしてダッシュボードをみれば、誰が自分にタスクを割り当てたのか、どのような会話が進んでいるのかといったやりとりがすべてみえます。

このあたり、まさにタスクの周囲に構成されたソーシャルネットワークという趣をもっています。

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Flow のいいところに、iPhone / iPad アプリが充実しているというところがあります。

これらは Flow の全機能にアクセスができますので、ウェブ版を利用せずとも、iOS 版を使っているだけでも十分です。

少人数の離れたチームに最適

こうした機能は、同じオフィスで仕事をしているというよりも、何人かが離れた場所にいて、いちいち電話やメールをしているのではまどろっこしいという場合に利用できるスピーディーなタスクの管理方法です。

値段は5人で月$29、10人で月$49と、10-25人程度の小規模なチームを運営するのであれば十分安い設定となっています。逆に個人で利用するなら、値段のハードルが高いですね。

この種類のサービスとしては日本では Chatwork が知られています。Chatworkもチャットとタスクが融合したサービスですが、Flow とくらべて二つの関係がもう少し離れています。

このあたりは好みだと思いますので、グループによるタスク管理システムを探している人はぜひ比較してみてください。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。