オーロラふたたび。悪条件下でも活躍する Powershot S120 の星空モード

Powershot S120 の星空モードでのオーロラ撮影については先日も記事にしたところですが、それを上回るオーロラが撮影できたとあっては、もう一本記事にしてもばちはあたらないでしょう。

そろそろ終盤をむかえつつある、本業の北極航海ですが、今年は北極らしくなく空が晴れ渡り、一面に星空が見える夜も多く、オーロラもここまでに5回ほど出現しています。

しかしつい2日前みられたオーロラはそのなかでもずば抜けて規模が大きく、肉眼でも光のカーテンが星空を隠す勢いで広がりました。### 12ノットで航行中の船の上からの撮影

このとき「みらい」はアラスカの最北端、バロー沖での作業を終えて北西に向けて12ノット、約22km/時間の速度で航行していました。気温は約 -2 度、デッキの上には先日ふった雪がまだ溶け残っています。

行く手には小さな低気圧とおぼしき雲がありますが、その手前の空は晴れ渡っています。デッキに立っているだけで耳たぶが痛くなる風のなか待っていると、星が数えきれないほど輝きはじめました。その数といったら…! これまで「満天の星空」と表現してきた星の数を桁で越えそうな数です。

人工のあかりが全くない洋上では、上空の大気以外に星を遮るものがありません。ほんのすこし見上げているだけで流星がいくつも飛び交い、人工衛星のほのかな光が天頂を横断してゆくのが苦もなく見えます。

そして、やがてその星の光の下にやってきたのが、オーロラの光の幕です。

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今回のオーロラは真上に近い角度だったため、光のカーテンが頭上で開く様子も見ることができました。例によって Powershot S120 の好感度撮影をしてみると、カーテンの一部がほのかに写っています。オーロラの中にみえるのは、北極ではなかなか空高くは昇らない牡牛座の昴です。

さすがに船という環境ですから上下にゆるやかに揺れますし、風もそれなりにあります。その悪条件のなかでもこれだけの撮影ができたカメラは他にはなかったように思います。このタイミングで借りられて本当に良かった良かった。

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ところで日本で発売が開始された Powershot S120 の店頭POPに「オーロラも撮影できます!」というものがあったと風の便りに聞いたのですが、ひょっとしてそれって、このブログがネタ元でしょうか?(笑)

これだけ遊び心があるカメラなので、もっと好条件ならどんなことができるのか、いろいろ試す価値がありそうです。

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堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。