Canon PowerShot S120の星空モードでオーロラ撮影に成功

先日ご紹介したキヤノンの高級コンパクトデジタルカメラ PowerShot S120 のもう一つの目玉機能は星空を撮影することが可能なモードです。

「星空夜景」「星空軌跡」「星空インターバル撮影」の三種類が含まれますが、単純な長時間露出ではなく、カメラ側で最適化をしながらの撮影をしてくれます。

今回、このカメラを貸していただくにあたって「北極で面白い星空が撮れるかもしれません」と話してはいたのですが、思いのほか早くそのチャンスはやってきました。そう、北極の空の主人公、オーロラです。### ベーリング海峡でオーロラに遭遇

今回仕事で参加している航海はアリューシャン列島のダッチハーバーを出稿すると、そこからまっすぐ北上してベーリング海峡に向かいました。

ふだんならば曇り空ばかりが広がっているはずの北極ですが、この数日間だけはめずらしい快晴に恵まれました。こうして快晴になると夜に広がるのがオーロラです。

しかしオーロラは実際にみてみると、最初は雲かと思うほどにほのかな光しか放っていません。撮影には長時間の露光が必要ですが、船はその間も上下左右に揺れながら航行していますし、冷たい風も吹き付けます。

最初一眼レフでの撮影を試みましたが、なかなかうまくいきません。そこで PowerShot S120 の星空モードのことを思い出して三脚に乗せてみました。

結果は想像以上です。

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上の二つの写真は両方とも船が12ノットほどで航行している最中に撮影された写真で、海などをみてみると長時間の露光で海の波はのっぺりと撮影されているのですが、オーロラの方は見事にとらえられています。

特に下の写真については機能の一つである「星の強調」を行ったところ、オーロラと重なっている、北極の空高くにのぼった北斗七星をとらえています。

実際、一眼レフでの撮影を試みていた方の多くがなかなか上手にとれなかったので、コンパクトデジタルカメラでこうした写真がとれたと言ったら驚かれました。

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こちらはもう一日、別の日のオーロラですが、こちらも実際は非常に暗かったオーロラをなんとか捉えることに成功しています。

揺れる船上でここまで撮れますので、もっと条件がよい陸上であったなら、さらによい写真が撮れたのではないかと思います。

しかし最も重要なのは、一瞬で消えてしまうオーロラのような現象に対して、準備ゼロでここまで撮影できたことかもしれません。

前回も書いたように、写真を趣味としない人が趣味の写真のレベルを一歩進めたいとおもった場合に、ミラーレス一眼カメラや一眼レフカメラを買う意外に、こうした高級コンパクトデジタルカメラを選択するという道筋もあるというのは発見でした。

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まだまだ観測中はさまざまなチャンスがあるかもしれませんので、その他のカメラを使いつつも、いつもポケットにはこの一台を忍ばせておきたいと思います。

発売前の本機を貸してくださったキヤノン様、ありがとうございました!

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堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。