Google+をこれから始めたい人への5つのアドバイス
Google+ エバンジェリストの私には嬉しいニュースが!
一時はゴーストタウンと揶揄されることのあったGoogle+が世界2位のSNSとしてじわじわとユーザーを伸ばしています。
Facebookに比べるとあまり注目されないGoogle+ですが、検索結果やYouTubeといったGoogleのサービス全体との融合がすすんだ結果、本当の実力をあらわしつつあるといっていいでしょう。
実際、Google+の一部である「Hangout」機能の受容は欧米のメディアにおいても進んでいて、視聴者とのテレビ会議を行う、手軽なインタビューを行うといったときに利用されるだけでなく、ホワイトハウスがバイデン副大統領のハングアウトを企画して好評のうちに終了するなど利用が広まっています。Google+本体が目立たなくても、こうした多面的な取り組みはじわじわ効いてきていたのですね。
わたしもTwitterを一斉同報的な情報発信に利用して、Facebookを知り合いとの会話に利用する以外は、面白いとおもった話題、Twitterよりも詳しく書き込みたい込み入った話題などはすべてGoogle+に書き込むようになりました。
なによりGoogle+にはTwitterともFacebookとも違う、独特の暖かさがあって居心地がよいというのがあります。しかし、これからGoogle+を始めたいというひとにはどこから始めればいいのかわからないという意見もあると思います。
そんな人におすすめしたいのが、TwitterやFacebookのように投稿に注目するのではなく、コメントに注目するという入り方です。### 会話でみるTwitter、FacebookとGoogle+の違い
Google+を楽しむ最大の鍵は、「コメントを楽しむ」という点にあります。このことを納得するためには、TwitterやFacebookとの違いをみてみるとわかりやすいでしょう。
たとえばTwitterでは「すべてがツイート」である特徴があります(DMという仕組みもありますが、メールとあまり変わりませんのでここでは無視します)。@リプライという仕組みがあるために会話がおこなわれるように見える工夫がされていますが、A さんと B さんが会話をする際にはつねに新しいツイートが生み出されます。
このことは、「会話を共有する場」がTwitter上には存在しないことを意味します。そのため、場を可視化するためにTogetterやStorifyのような仕組みを必要とするのです。べつにこれは悪いことではなく、議論を誰かがが一方的に「所有」することがないというメリットもあります。ただ、すべてがツイートであるということがTwitterの特徴でもあり、宿命でもあるのです。
一方、Facebookは投稿に対するコメントという形で会話が行われます。この点、FacebookのほうがGoogle+に近いといえます。ただ、Facebookはネット上の個人のアイデンティティという側面が強すぎるという副作用があって、そのことが会話にも影を落とします。
よくあるのが、ブロガーとしての「堀 正岳」として会話をしているときと、本業の研究者の「堀 正岳」として会話をしている時で言葉遣いやネタの振り方を選びたいと思った時に、思った以上にそれが難しくて最小公約数的な発言にとどめてしまうという場合です。
あるいは、面白い話題に乗り込みたいのですが、親しそうな二人の会話に入っていいものか場の空気を掴みかねてコメントをしないといった場合です。これって僕だけでしょうか?(笑)
Facebookをすべてパブリックでツイッター的に使う人もいればツイッターをFacebook的に使う人もいますのでもちろん例外はありますが、えいっと簡単化するとこれはTwitterがパブリックすぎて、Facebookがプライベートすぎるといえなくもありません。
Google+はコメントで楽しむ
そこでGoogle+ですが、Google+は実名を基本としながらも多少曖昧な部分が残ったゆるやかなネットワークをもっています。実際、私のアカウントにコメントをしてくださる人には実名かどうかがわかりにくい人も、プロフィールからは推測できない人も数多くいます。これが独特なゆるい空気を生み出しています。
私がGoogle+で例えば「寝ます」と書き込むと、その時間帯にいる人から瞬く間に「おやすみなさい」「おやすみー」というコメント以外に「寝るな」「寝るのは甘え」といった冗談のコメントも入り乱れます。
時には「寝」と一文字を書き込むだけで、あるひとが「る」とコメントして、すかさず別の人が「な」と見事な連携プレーを演じることもあります。こんな連携は少なくともFacebookの私の観測範囲ではないことです。
これはGoogle+が 1) ツイッターのようなリアルタイム性をもっており、2) 現実の人間関係をこえたゆるいつながりが成立しやすく、3) コメントという場が提供されているので会話にパーマリンクが生まれて固定しやすいということをあらわしています。
Google+を楽しむには、なにも面白い投稿をこころがける必要はありません。興味のある話題で盛り上がっているところにいって、コメントに参加するだけでいいのです。
これからGoogle+を始める人は…?
これからGoogle+を始めてみようという人はサービス開始時から楽しんでいる人たちの輪に入ってゆくわけですから少しだけうちとける努力が必要ですが、それもFacebookに比べたら難しくはないでしょう。いくつかポイントがあります。
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自分の好きな話題を探しにいく: コミュニティを検索して自分の好きなテレビ番組や趣味について会話しているひとがいないかを探します。
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アクティブなユーザーを探す: そうしたなかでも、アクティブなユーザーを探すようにしましょう。アクティブなユーザーは、ただ投稿が多いだけではなく、ちゃんとコメントが数多くついていて、コメントにも返事をしているような「コメントを楽しむことを知っているユーザー」です。
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コメント前に様子をみてみる: いきなりコメントをするのが気が引けるという場合は、アクティブなユーザーと、その人にコメントしている人々をサークルに加えて会話をフォローしてみましょう。独特の空気感が見えてくるはずです。
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コメントをしてみましょう: 盛り上がっているところに自分なりの一行を付け加えてみましょう。なんどもコメントをするうちに向こうもこちらをサークルに加えてくれることもあるでしょうし、自分の投稿にコメントをくれることが生まれるはずです。ここまでくれば、もうGoogle+を使いこなし始めているといっていいでしょう。
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投稿で自分を表現する: たいていの人は知らない人からコメントをもらった場合にその人をサークルに加える前にその人がどのような投稿をしているかを見にいきます。ですから、投稿が一つもないという状態はさすがに避けたほうがいいでしょう。できればあなたが迎え入れてほしいと思っているコミュニティに関連した話題をいくつか提供しておくことで、「このひとは自分たちのクラスタの一員だ」と認識してもらえるようにしておきましょう。
実はGoogle+の本当の旨味はコメントのさらに先、限られたサークルの人にしか公開しない「限定公開」にあります。私もふだんアニメのネタや、野鳥写真を限定公開で公開してくださる人に加えていただいているおかげで、一般公開には流れない、検索にもひっかからない投稿を楽しんでいます。
しかしそうした限定公開を目にするようになるには、自分がかかわりを持ちたいと思う人々の投稿に積極的にコメントをして迎え入れてもらう必要があります。ここに少しだけのハードルがありますが、うまくいくとほかのソーシャルサービスでは感じられないゆるやかな会話を楽しめるようになります。
これからGoogle+を始めるひとはぜひ自分が楽しんでコメントをやりとりできる一角をみつけていただけると嬉しいです。また、それでもとっかかりがわからないという場合は私のアカウントを足がかりに面白いアカウントを探していただければとおもいます。