iPad mini、あるいは生活のすべての隙間をうめるタブレット
視界のじゃまにならない、そばに置いていてすぐに引き寄せることができる、熱くもならず重さを意識することもない、ひょっとしたら一番「紙」のノートに近い存在。自分のなかでiPad miniはそんな存在になりつつあります。
先週の金曜日に iPad mini を手に入れたものの、買ったその日の印象で記事にするよりも生活のどの場面にこの小さな平板がなじむのかを知りたくて数日使ってみました。
するとこれが、ちょうど生活にフィットする小気味のよいタブレットだということがわかってきました。### 視界のじゃまにならないちょうどいい存在感
iPhone 5の性能に満足していましたので、新しいタブレットが必要なのかは真剣に考えたのですが、私の場合には「科学論文を読む」という用途がありましたので、最悪でも論文端末として活躍してもらうつもりでの購入でした。
買ってみてすぐに気づいたのは、ちょっと食卓の横に置く、ちょっと喫茶店の小さなテーブルの空きスペースに置くといった、「隙間の空間」でも問題なく利用できるという点です。
iPadだとこうはいきません。大きく、重いので倒してしまわないか気を使いますし、テーブルの端に置く勇気はとても起きません。しかも立ててあっても、平たく置いてあっても、存在感はノートパソコンと同じくらいです。
その点、iPad miniは立てておいても視界をさえぎらず、あまり気をつかわない、ちょうどよい存在感のタブレットだと思いました。
iPad miniで論文を読んでみる
さて、本来の目的の電子書籍、というよりもこれまで集めた科学論文を iPad miniで読んでみます。まず Papers 2 から論文を 500 本ほど同期して、開きました。
私の研究分野では細かい数式と地図、等値線が論文に占める割合が多いのですが、どれも問題なく読める解像度です。
もちろん参考文献目録の一部など、非常に小さい文字で書かれた部分は拡大する必要がありますが、そもそもあまり目を皿のようにして読まない場所ですよね。
上の論文をクローズアップしたのがこちらの画像です。図の等値線もつぶれていませんし、キャプションの小さな字も問題なく判別できます。
アスペクト比の問題で、論文のページサイズによっては紙面の下ぎりぎりが画面では切れてしまうこともあるようですが、本文と図はズームされてちゃんと表示されていますので、読むのに不都合はありません。
iPad miniでプレゼンを
ちょうど週明けにはひとつ取材が入っていましたので、今度は iPad miniで Keynoteプレゼンテーションを卓上で見せながら解説をしてみました。
これも、数人の人間で iPad mini を囲んで話す分には十分ということがわかりました。もちろん iPad のほうが画面が大きくてよいのですが、持ち歩きに適した mini でも問題ありません。
ブログ執筆を iPad miniでやってみる
ここまでくるともうちょっと欲張る気持ちがでてきて、いつでもブログを書くのに iPad miniが使えないかと思うようになります。
執筆の場合、大きいiPadではほぼ例外なく本体を横に倒してソフトウェアキーボードを使うことになると思いますが、iPad miniの場合は縦にもっていても親指2本がキーボードを楽にカバーできますので入力がはかどります。
さらにキーボードをもってきて立ててみたところ、実に小気味のよい小さな仕事場の出来上がりです。「ひらくPCバッグ」のおかげでこの LOGICOOL タブレット キーボード for iPad TK600 も運ぶのがおっくうではありませんので、これはちょうどよい。
買うべきか? それはセルラー版が出てから決めても遅くない
私の生活においては食卓のよこでニュースを確認したい場合、ちょっとしたミーティングの合間に論文を走り読みしたいといった「隙間」に気持よく収まってくれたのが iPad miniです。逆に大きなiPadには居場所がなくなりかねないのが、Apple本当に恐ろしい…。
では買ってしまうのがよいかというと、やはり買う方の用途によるかと思います。マップなどを多用する、カーナビのような利用方法を考えている場合はセルラーを待つしかないでしょう。
逆に、電子化された本、論文、プレゼン、カレンダーなど、「紙」の一歩先にいくコンテンツをもっている人には、ちょうどいい近道を生み出してくれるのが、このiPad miniのような気がします。
購入を検討している方のご参考になれば!
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価格: ¥1,300